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異域の死者1-7

时间: 2019-04-27    进入日语论坛
核心提示: 翌十月四日、火曜日。 上野西署の捜査本部は、早朝から慌《あわ》ただしい空気に包まれた。夫による、妻殺し。険悪な夫婦関係
(单词翻译:双击或拖选)
 翌十月四日、火曜日。
 上野西署の捜査本部は、早朝から慌《あわ》ただしい空気に包まれた。夫による、妻殺し。険悪な夫婦関係のつづいていたのが事実なら、
「単純なパターンだが、事件《やま》は、仙台居住の村松夫婦で決まりかな」
 と、捜査本部長である署長は、刑事課長に話しかけていた。
 刑事たちが、次々と出勤してくる。
 朝の捜査会議の席上では、当然、死者と村松真理の対比が、最優先議題となる。そして、村松俊昭は、重要参考人として、事情を訊かれることになるだろう。
 幸いなことに、前夜の雨雲は小雨を降らせただけで海上に去り、東京地方は、さわやかな快晴に恵まれていた。
「聞き込みには、持ってこいの日和《ひより》だぞ」
「村松真理の実家は、横浜ですか。浅野機器に問い合わせれば、真理の旧姓と実家の住所はすぐに分かりますね」
「横浜へ出張したのなら、実家には連絡があるのが普通だな」
 清水部長刑事と若手刑事は、捜査会議を前にして、そんな会話を交わした。
 刑事部屋は二階であり、鉄格子のはまった窓のすぐ先が、高速1号上野線だった。高速道路の向こう側が、上野駅の在来線列車ホーム。
 そして、そのずっと左手奥が、上野公園の不忍池となる。
 昨夜の事件は、記者発表が遅かったので、朝刊には間に合わなかった。しかし、テレビは、二局が今朝のニュースで報じ、そのうち一局は、はがきの線で関係者として「村松俊昭」の名前を出した。
 刑事課に外線電話が入ったのは、テレビニュースが終わって、間もなくである。三階の捜査本部へ向かうために、刑事たちが、机を立ち始めたときだった。
 電話は、清水部長刑事がとった。
「何?」
 部長刑事は、日頃の彼らしくもない甲《かん》高い声で、交換手に聞き返していた。
「先方は、間違いなく、村松俊昭と名乗っているのだね。よし、つないでくれ」
 その一声で、部屋を出ようとした刑事たちが、一斉に立ちどまった。
 部長刑事は受話器を持ち直した。
「もしもし」
 相手は、改めて自分を名乗った。聞き取り易いはっきりした口調だった。
「ぼくはいま、横浜駅近くのビジネスホテルに逗留《とうりゆう》しているのですが」
 と、村松俊昭は言った。
 朝食をとるために、一階のレストランに寄ろうとすると、ロビーでマネージャーに呼びとめられた、と村松はつづけた。
 マネージャーは、朝のテレビニュースを見たところだった。ニュースの伝える「村松俊昭」が、常連客と同じ名前と知って注進したというわけだ。
「同名だなんて、ぼくも、何か気味が悪いので、こうしてお電話したのですが」
「横浜のホテルにおられるというと、あなたは浅野機器仙台支社で、営業部の課長をしている村松さんですな」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。テレビのニュースで報道したのは、このぼくのことですか」
 電話を伝わってくる声が、びっくりしたものに変わった。
 しかし、驚愕が事実であるのか、演技なのか、ベテランの清水にも、声だけでは判別できない。
「刑事さん、殺人事件に、どうしてぼくの名前が出てきたのですか」
「詳しいことは、直接お会いして、伺《うかが》いたいと思いますが」
「必要とあれば、ぼくの方から出向きますよ。でも、どういうことですか」
 村松は早口で繰り返した。
 すべてを知悉《ちしつ》していて、自分の方から電話をかけてきたのであれば、�無実�を主張する工作が完備しており、その工作に相当な自信を持っていることになろうか。
 いずれにしても村松は、逃げたり隠れたりする感じではなかった。
「村松さん、あなたが仙台のマンションを出たのは、おとついの日曜日でしたね」
「そんなことまで、調査済みですか」
「横浜へは、奥さんと一緒に向かわれたそうですな」
「確かに、途中までは同行しました」
「途中まで? 奥さんは同じホテルにお泊まりではないのですか」
「とんでもない!」
 電話の声が、ふいに変わった。仙台東署の刑事が、『ハイツ・エコー』で聞き込んだ通りだった。夫婦の仲は、何とも、とげとげしい感じである。
「女房とは、新幹線を降りたところで、上野駅で別れましたよ」
「奥さんの実家は横浜でしょ。奥さんは実家へ滞在する予定になっていたのですか」
「彼女がどこに泊まるか、そんなことまでぼくは知りません。ぼくの本社出張が終える明日、仙台へ戻ることにはなっていましたがね」
 村松はそう言いかけて、
「刑事さん」
 また口調を変えた。
「上野公園で死んでいたという女性が、家内の真理なのですか」
 ふと気付いた、というような問いかけだが、これまた計算しての質問なのか、そうでないのか、表情を直接確認できない電話では、何とも言えなかった。
「刑事さん、真理が殺された。それで、ぼくの名前が出てきた。そういうことですね」
「恐縮ですが、こちらの、捜査本部へ、ご足労願えますな」
「分かりました。これから関内《かんない》の本社へ顔を出します。朝の打ち合わせが終ったら、上司の許可をとって、すぐに上野へ伺います」
「今夜はもう一晩、横浜駅近くの、そのホテルにお泊まりですか」
「はい、ここは岡野ホテルです」
 村松は自分の方から、ビジネスホテルの名前と電話番号を言った。営業課長らしい、回転の速さだった。
 清水部長刑事は、ついでに、真理の実家の住所と電話番号を聞き出し、
「それでは、なるべく早いお出でをお待ちしますよ」
 と、念を押した。
「横浜の関内から上野までは、JRで一時間足らずです。遅くとも、十時半にはお訪ねできると思います」
 村松はそう言って、電話を切った。
 清水部長刑事は、電話の経緯を署長に報告し、それから、真理の横浜の実家のダイヤルを回した。
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