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愛人の掟 58

时间: 2019-10-18    进入日语论坛
核心提示:scene 19 危険な海外旅行今、ちょっとわくわくしている。今年初めてのバカンスが目の前まで来ているのだ。一週間ほど休み
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scene 19 危険な海外旅行

今、ちょっとわくわくしている。今年初めてのバカンスが目の前まで来ているのだ。一週間ほど休みをとって、バリ島に行く。バリは今回で五度目だが、気候や風土、食べ物など、どれもわたしの好みに合う。毎年泊まるアマンダリは、真のリラックスが得られる大好きなホテルだ。
というのも、今年夏休みというものを一日もとっていなかったのである。まあ別に、それはめずらしいことでもなんでもない。毎年夏が来ると、今年こそは海へ行ったりプールで泳いだり、恋人と花火を見上げたりして過ごそう、と心に誓うのだが、なかなかそうはいかない。夏バテに苦しみながら仕事をしたり雑事に追われたりして気がつくともう、夏は通り過ぎている。今年も恥ずかしながら、海もプールも一度も見ていない。
……なんて書くと、さも毎日朝から晩まで机に向かって原稿を書いていたみたいで格好いいんだけど、実はそんなこともない。一日中ぼーっとしている日もあったし、我が家のオリンピック視聴率はかなり高かったし、デートだっていっぱいした。でもそれは、「休日」とは違うのである。作家というのは基本的に二十四時間営業だからオンとオフの区別が非常につきにくい。日本にいる限りどうしても気持ちの切り替えがつかず、休みをとった気になれない。だから本来、海外旅行はあまり得意ではないのだが、一年に一度くらいの割合いで出かけることになる。
海外旅行といっても、恋人とお手々つないで、というわけではない。わたしの彼は見ているこっちの目がテンになってしまうくらい忙しい人なので、これまで一泊以上の旅をしたことなど一度もない。わたしは仕事が出来てかつ仕事が好きな人に惚れることが多いようで、今まで彼氏と海外旅行に行ったのなんて学生時代のグアムぐらいだ。
それなのに、海外へ行くと言うと決まって「へーえ、彼氏と? いーなー」と反応する人が多いのはなぜなんでしょうね。みんなそんなに彼氏と海外旅行してるんでしょうか? そもそも、何が何でも彼とふたりで海外に行きたい、という願望がわたしには全然ないのだ。
だって、恋人と海外旅行するのって、ものすごく勇気がいることだと思わない? よく、他人を理解するには一緒に旅をするのがいちばん、と言うけど、これが海外ならばなおさら。日本では決して顔を出さないその人の本質が、丸見えになってしまうのだ。
言葉の問題とかややこしい手続きとか移動とか、いろいろ面倒臭いことがある上、妙な解放感があるのがかえって裏目に出る。解放感が愛を燃え上がらせるのは、国内で自由に会えない芸能人ぐらいだ。
よく、ハワイとかのホテルのレストランで、つまらなそうに黙々と朝食をとっているカップルがいるでしょう、あれがいい例。何がきっかけになったかはわかんないけど、今まで知らなかった相手の本質を見てしまった、のである。日本にいるのと違ってお互い逃げ場がないから、旅行が終わるまで嫌でも一日中顔をつきあわせていなきゃなんないのもつらい。以前話題になった成田離婚、というのだって、熱海か箱根あたりにしておけば別れなくてすんだのにねえ。
だから、今の彼との仲を長く続けたいと思っているのなら、海外旅行はなるべく先延ばしにしたほうがいい。特に初めての旅行は必ず国内にとどめること。いくらラブラブでも海外はそれぞれ別々に出かけて、遠く離れた彼を想って絵葉書をしたためるのもよし。
でもどうしても、というのなら、慎重すぎるくらい慎重に旅行計画を練ること。出来れば、最初はふたりきりでなくダブルデート状態にしておくのが無難。行く先は、彼が行ったことがある場所にするのがいちばんいい。女性だけが行ったことがあって彼は初めて、というのはいけない。彼の情けなさが露見しやすいからだ。スポーツでも、彼が先にはじめたものをふたりでやれば仲良くなるけど逆は駄目、っていうのと同じね。
まあ、恋人と一緒にいられるのなら何もわざわざそんな危険を冒さなくても、自分や相手の家でずうっとべたべたしていればいいじゃないって思うけどね。
と、そんなわけで、このページを含めたいくつかの原稿を書き終えれば、わたしはデンパサール行きの飛行機に乗っている。つけ加えれば、帰りの飛行機が無事、成田空港に着いたその日には、わたしの初めての長編小説『愛された娘』がいよいよ書店に並ぶ。
バカンスと本の出版と、どっちがわくわくしているかと問われれば、正直言って断然後者である。それもこれも、やっぱり恋人との旅行じゃないからなんでしょうか!?
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