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歌月十夜85

时间: 2019-11-28    进入日语论坛
核心提示:*s100□秋葉の部屋 居間で別れてからそう時間は経っていない。どれだけ寝つきがいいにしたって、まだ寝入ったばかりの頃だろう
(单词翻译:双击或拖选)
*s100

□秋葉の部屋
 居間で別れてからそう時間は経っていない。
どれだけ寝つきがいいにしたって、まだ寝入ったばかりの頃だろう。
「————————ふ」
そ、ゆうワケで秋葉のねぼけ顔を拝見するチャンスだ。
「こらー秋葉—! 朝っぱらから二度寝なんかするんじゃなーい!」
いえーい、とばかりに勢いよく寝室のドアを開けた。
 
「—————————え?」

ドアを開けた途端、二人同時にそんな声をあげたと思う。
「———————————」
「———————————」
そのまま数秒。お互い、石化したようにぴくりとも動かない。
……自分が何かトンデモナイ事をしてしまった、というのは解っている。
秋葉も秋葉で、自分が何かトンデモナイ事になっていると解っている筈だ。
 ただ咄嗟に声をあげそこなった為にタイミングを逸してしまっただけだと思う。
例えるなら、下手に声をあげた瞬間に酷いコトが始まってしまう。酷いコトは誰だってヤなので、とりあえず現状維持をしたい、といった感じだろうか。
 ……いやまあ、冷静に状況を把握しても詮無きコトなんだけど。
「————————に」
にいさん、と唇を震わす秋葉。
耳まで真っ赤にしちゃって、初々しいったらありゃしない。
「—————————」
ん、あの服はうちの学校の制服じゃないか。
ああ、読めた読めた。うちの制服が届いて、それを着ていく気はないけど一度ぐらいはどんなものかと試したくなった、という所だろう。
……ちぇ、惜しいコトをしたな。もう少し遅く来れば秋葉ブレザーバージョンを見れたっていうのに。
「—————にいさ、ん、なにを———」
しているんですか、と言いたいらしい。
秋葉はまだ思考が停止してしまっているのか、自分が下着姿で立っている、という事にも気がいっていないらしい。
「—————————」
かくいう自分も、秋葉の白い肌とか柔らかそうな曲線とか華奢な肩とか、そういった女性的な部分があまり目に入っていなかった。
 そう、さっきから頭の中で繰り返されている言葉はただ一つ。
 
「秋葉。おまえ、あいかわらずぺったんこだな」
 いやもう、それが素直な第一印象だったりする。
「さ、最っっっっ低!」
ブチ、と。何か、細い線が切れたような音がした。
 
 バタン、と音がして地面がなくなった。
ひゅー、と落下していく俺の体。
「な、いつのまにこんな仕掛けをぉぉぉぉを!?」
奈落の底までまっ逆さま。
覗きの罰にしてはいきすぎじゃないか、これ。
「ばか、死んじゃえーーーー!」
 遥か頭上になった秋葉の部屋から声が聞こえる。
うわぁ、裁判を通り越して死刑説濃厚になってまいりましたー。
 
———そんなこんなで、気が付くと地下牢にいた。
「あ、あ痛たたたたた…………」
落ちてくる時に腰を強打したのか、立ちあがると体中が軋んだ。
「くそ、ほんとに地下牢じゃんかココ……」
じゃらり、と音がして、手で額の汗を拭った。
ん、じゃらり……?
「って、うわああああ! て、手足が鎖で繋がれてるー!」
テッテイしている。
ここまでテッテイするというコトは、つまり琥珀さんはホンキだという事なのでしょうか?
「うっ、さむっ……」
ぶるっ、と震える体を抱く。
じゃらり、とまたも鬱になりそうなヘヴィサウンド。
「冗談じゃないぞ、こんなトコに一日でもいたら精神に異常をきたす」
適当な石を持って、ガンガンと牢を叩く。……超合金で出来ているのか、石の方がたやすく砕ける。
「うーん、こりゃまいった」
ああ、でもどっかの人が地下室は安心できるとか歌ってたっけ。……うむ、どっちかっていうとあの歌はシキのテーマソングではあるまいか。
「———って、他人事じゃないって。日が落ちる前に外に出ないとえらいことだぞ」
きょろきょろと周囲を見渡して、ナイフ代わりになりそうな石を探す。
石は簡単に見つかった。
「————あれ?」
って、そんな物を見つけてどうしようというのか。
石では牢は切れない。なんだって俺は、そんな物があればたやすく牢を切れるだなんて思ったんだろう?
「ふふふ、ダメですよ志貴さん。そんな危ないコト思い出しちゃいけません」
かんかんかん、と階段を下りてくる足音。
「こ、琥珀さん!?」
「はい、お待たせしました。ちょっと待ってくださいね、すぐに開けてさしあげますから」
ぎいー、と錆びた音をたてて牢が開く。
……良かった。質の悪い冗談だったけど、さすがに冗談のままで終わってくれたらしい……って、ちょっと待った!

「な、なに持ってるんですか琥珀さん!」
「なにってお注射の時間です。本当はこのような事は心が痛むのですけど仕方ありません。志貴さんは中々反省してくださらないので、聞き分けがよくなるお薬を注射しますね」
「うわ、嘘っ! ぜったい嘘! 琥珀さんすっげえ楽しそうじゃんかー!」
「やだなあ、そんなコトないですってば。ほら、わたし痛いの嫌いですし」
「ばか、そんなのフツー誰だって嫌いだって!」
ニコニコと近寄ってくる割烹着の悪魔。……もとい、割烹着を脱いだ悪魔。
「うわあ、分かった、分かりました! もう夕食は残しません! それに外食も控えます! ついでに早起きもしますからー!」
「うふふ、そんな事言ったって逃げられませんよ志貴さん。さ、大人しくしてれば痛くありませんからちゃっちゃっと射っちゃいましょー!」
「はわわわ、オッケー、こうしよう! 琥珀さんの言い分ももっともだ。もっともだから、せめてどっちか一本だけにしてくれー!」
「あ、そうゆう事ならご心配なく。二本持っているのは射ち損じた時のための予備ですから」
にっこりと笑って、琥珀さんは俺の腕に注射器を突きたてた。
 
「志貴さん、聞こえてます? いいですか、これからはここが志貴さんのお部屋です。ですからくれぐれも外に出ようだなんて思わないでくださいね。
……ええ、そうしてくださればわたしも手荒な事はいたしません。もう何も考えられなくなるぐらい、優しく飼ってさしあげますね———」
クスリ、と琥珀さんが笑った。
 
 ……うう、今までいろんなバッドエンドを迎えてきたけど、これに勝るおしまいは無かったよぅ……
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