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愛してると言わせて21

时间: 2019-12-07    进入日语论坛
核心提示:皇太子先日、とびっきり面白いことがあった。これが畏《おそ》れ多くも、皇太子が出席されたパーティなのである。一月十五日の成
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皇太子

先日、とびっきり面白いことがあった。これが畏《おそ》れ多くも、皇太子が出席されたパーティなのである。
一月十五日の成人の日に、NHKが主催する「青春メッセージ全国大会」が開かれた。以前は「青年の主張」と呼ばれており、若い人たちの弁論大会である。私はこの大会に審査員の一人として出席した。
会場のNHKホールには地方予選を勝ち抜いて、四千人の中から選ばれた十一人が緊張したようすで開始を待っていた。雨だというのにホールは若い聴衆でぎっしりである。
その時、「キャー」「ピー」という大歓声と共に、それこそ嵐のような拍手が聞こえてきた。ちょうど開始寸前で、審査員も出場者も舞台の袖に控えていたのだが、思わず「何ごとだろう」と顔を見合わせるほどのすさまじい歓声である。
「ゲストの西田ひかるさんか、聖飢魔㈼が紹介されているんじゃないですか」
私はそう言った。が、どうもようすが違う。そっと緞帳《どんちよう》のかげからのぞくと、まさに皇太子がロイヤルボックスに着席されるところであった。客席の若い聴衆はアイドルに絶叫するのと同じように、もう大変な騒ぎである。その時、舞台の最前列近くにいた十代の男の子数人が、一斉にロイヤルボックスに向かって叫んだ。
「やったじゃーん!」
これにはのけぞった。たぶん、七年越しの恋を実らせた皇太子への「おめでとう」の意味であったろうが、それにしても「やったじゃーん!」である。若い人のドラマを書いていると、多少のことには驚かなくなるが、これには本当にのけぞった。
そして大会終了後、NHKホール内の貴賓室で、パーティが開かれた。もちろん、皇太子をお迎えしてである。出席者はごくごく少数で、十一人の出場者と審査員、それにNHK関係者で、せいぜい三十人といったところである。
私は十一人の若者たちが皇太子に対してどんな反応をするのか、実はひどく楽しみであった。彼らも年齢的には「やったじゃーん!」のグループと変わりない。が、当然のことながらロイヤルボックスの皇太子を遠くから見上げるのと、さほど広くない室内で間近かに言葉をかわすのとでは違うはずである。どう違うのだろう。私は興味|津々《しんしん》に十一人を観察していた。
「ただ今、皇太子殿下がお出ましになります」
おごそかに係員がそう言うと、予期せぬことに十一人に緊張が走った。私が意地悪く一瞬のうちに見ただけでも、一人の男の子はズボンで手の汗をふいた。一人の女の子は思わず大きく息を吐いた。そしてもう一人の男の子はスッと足をそろえた。これは正直なところ、意外な反応であった。ロイヤルボックスを見上げる時とは違っても、ここまで素直に緊張を見せるということを、私はまったく予想していなかった。
皇太子は一人一人の目を見て、非常に静かな口調で語りかける。
「いい弁論でしたね。あがりませんでしたか?」
「ご家族のどなたか応援に来ていらっしゃいますか?」
若者たちは「ハイ」とか「いいえ」とか短く返事をする。かなりかたくなっているのがよくわかる。ところが五人めくらいに話しかけられた女の子が、突然言ったのである。
「殿下、握手して下さい」
皇太子は笑顔で彼女の手を握った。そして、この瞬間からパーティのムードが一変した。誰の肩からも力を抜け、十一人は完璧に自分のペースを取り戻していた。
列をくずしてティーパーティが始まると、みんなが皇太子を取り囲む。そして質問攻めである。この質問がまた「やったじゃーん!」のノリで、私はのけぞりっぱなしである。
「あのォ、皇室の人ってェ、朝めしとか何食べてンすか。朝っぱらからフランス料理ですか」
ウソではない。皇太子はごく自然に笑って答える。
「そんなことはないですよ。私は和食が好きですから、朝も和食が多いですね」
また別の男の子が嬉しそうに言う。
「結婚決まってよかったスねえ」
皇室会議の前だったので、この件に関してだけは明確な答は避けられたが、皇太子は何をどう問われようとスパッと答えられる。言葉をかわしたばかりの女の子が、興奮さめやらぬようすで、私に囁《ささや》いた。
「あの人、結構いい人ですね」
私は飲んでいた紅茶にむせ返りそうになった。
そして、のけぞりの頂点は、パーティを終えて帰られる皇太子をお見送りした時である。若者十一人は整列していたのだが、突然ダーッと皇太子の車にかけよった。そして、菊の御紋章の車に向かって手を振り、一斉に叫んだ。
「お疲れさんでしたーッ」
「また会いましょーッ!」
私はのけぞるどころか吹き出した。どこの誰が、皇太子に向かって「お疲れさん」と言うものか。が、闇夜の中に小さくなっていく皇太子の車に向かい、ずっと手を振っている十一人を見ながら、「いい時間だったな」と思った。
彼らの言動を「非常識」と怒ることは簡単だが、間違いなく皇太子には彼らを「非常識」にさせるあたたかさと、最先端の若者たちを笑わせるユーモアのセンスがあった。皇太子自身が彼らを「非常識」にしたのだとしたら、何とすてきな皇太子かと思う。
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