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男とは何か10

时间: 2020-09-27    进入日语论坛
核心提示:第十信男の「品性」について スポーツにはルールがあるが、人生の競争はそれを人間の品性に委《ゆだ》ねる。 石田礼助が国鉄総
(单词翻译:双击或拖选)
 第十信男の「品性」について
 
 スポーツにはルールがあるが、人生の競争はそれを人間の品性に委《ゆだ》ねる。
 石田礼助が国鉄総裁になったときの国会の挨拶で、「生来、粗にして野だが卑ではないつもり」と述べたというのも、そのあたりを言っているのだろう。
 たしかに、いまの世の中は石田礼助の言葉とは逆に、虫も殺さないような紳士の仮面をかぶり、口を開けば綺麗事《きれいごと》一点張りのくせに、人の目に触れない蔭では、ルール違反の“卑”という反則行為の限りを尽して身の栄達を図ろうとする男達が多数派を占めている。
 例のリクルート事件に連座した国会議員や高級官僚らのあの醜態がまさにそれで、リクルート株を持ったことの是非以上に、男としての品性が問われる絶好の見本だ。
 NTTの役員の中でリクルート株を買っていた式場某と長谷川某が、国会の証人喚問の場で「大切な友人の頼みだから」と悪びれずその事実を認めていたのに対し、御大将の真藤恒会長は、三十年来私的な金銭の管理を委ねていた秘書が株を引き受けていた事実をつきつけられ、まことに歯切れの悪い保身発言に終始し、世間の失笑と失望を買った。
 どちらかといえば石田礼助の世代に近い真藤会長が“卑”を天下に晒《さら》したのに対し、昭和生まれの二人の取締役がむしろ潔かったのを、石田礼助が生きていたらなんと評したか聞いてみたいものだ。
                             *    *    *
 リクルート疑惑のような世間周知の出来事でなくとも、あれと同じようなキナ臭い話はどこにでも転がっていて、ビジネスに携わる者にとっては珍しくもなんともない。
 とくに税務署の目が厳しい今日では、税金のかからない金のやりとりに、値上り必至の株を使うのは日常茶飯事で、株式の上場ないし店頭公開が行なわれるたびに、リクルートと似たような方法で巨利を得たケースは数を上げたらキリがないというのが常識だし、現行法規の下では、公務員といえども贈収賄が立証されない限りは罪に問われない。だから、例の件でも、国会議員や公務員、準公務員は追及を受けたが、民間人は評判を落したくらいで済んだかに見えた。ところが実はそうはいかないのが、世の中の恐しいところなのだ。
 この件に関わった若手財界人は、たちまちにして発言力を失い、折角築いた財界での地歩のほとんどが崩れたといっていいし、マスコミの花形だった学者文化人は、このことによって発言の場をすべて封じられるという、死刑に近い仕置きを受けた。さらに、秘書に罪をなすりつけそれを押し通したつもりの人々も、実はこれによって失った信頼は大きく、これから先がすこぶるやり難くなったのもまた事実だ。
 世間の怖さとはまさにこのことなのだ。法が裁かなくとも、道義の鏡に照らして怪しい者は別の手で笞打《むちう》たれるという事実を、今度の事件くらい明確に指し示したものもない。
 しかし、私が君に言っておきたいのは、この事件で笞打たれた人々をひとくくりにして見るのは間違いだということだ。
 さらに言えば、同じくアンフェアな方法で値上がり必至の株を受けたとしても、石田流に言って“卑”になるかどうかの違いを重く見なければならない、という点なのだ。前にも書いたが、その場合、秘書のせいにして逃げの一手だった真藤会長は明らかに“卑”であり、潔く事実を認め、それによって会社を辞めた二人の取締役は、裏の事情は知らないが、少なくとも真藤会長に比べれば“卑”の度合いが低いのはたしかだ。
 ビジネスマンというのは、綺麗事ばかりで済まないことは、いくらサラリーマン一年生の君でも承知のことと思う。反則すれすれの策と技を駆使してやっと勝つのがビジネス世界の競争だし、怪しい金を承知でやりとりしなければならないことも商売にはついて回る。接待という、考えようによってはいかがわしさに満ちたつきあいも、ビジネスには欠かせない必要悪であり、他人に後ろ指をさされるようなことを一切しないで潜り抜けられる綺麗事の世界でないことだけはたしかだ。
 だから、ビジネスマンである限り否応なしに手を汚す羽目に陥ることは防ぎきれないのだが、大切なのはそのとき男として肚《はら》をくくってそれを行なったかどうかということなのだ。言い替えれば、どんなにそれがダーティーなやり方だろうと、それを自らの責任とする覚悟を持ってかかり、そのことで世間の爪《つま》はじきを受けることになったとしても、悪びれることだけはしないと、自分に言い聞かせておいて欲しいのだ。
 しかし、出来ることなら、汚い手で他人をはめるようなやり方は避けるべきだし、時には辞める覚悟でそういう卑劣な手段に反対するというくらいであって欲しいと思う。が、万やむを得ないということも世の中にはある。肝腎なのはそのときの覚悟で、それがいざというとき男の価値を二つに分けるのは、今度のリクルート疑惑でよく分ったことと思う。
                             *    *    *
 ビジネスマンの男としての品性を問われることの一つに、出世競争がある。
 ピラミッド型組織に入った限り、上を目指すのは当然のことで、それはサラリーマンの本能であるだけでなく、仕事に立ち向かっていくエネルギー源でもある。だが、一方でこのことくらい、人間の品性を卑しくさせることもない、というのもまた真実だ。
 私のように三十年この方サラリーマンを続けてきた者からすると、君のような入社早々から三、四年の間が一番よかったような気がする。なにしろ知らないことばかりで、毎日が新鮮な知識欲の充足だし、まだ当てにされていないだけに苛酷なレースを強いられることもなく、従って同僚をライバル視しないで済んだ時代だからだ。
 だが、そうした見習い段階が終ると、昨日までの親しい仲間は、最もマークしなければならないコンペティター(競争相手)に変身し、これまでのようにつるんで遊んでばかりはいられなくなるだけでなく、どこで足を引っ張られるか分らない要警戒人物として注意を払わなければならない。会社も、若い社員を早く一人前に仕立て上げるのには、競い合わせるのが一番の早道と考えるから、ニコニコベタベタづきあいをしているよりは、目をむいて敵視し合っていることの方を本音では歓迎するし、しばしばそうし向ける。
 たしかに、それに乗って遮二無二前傾姿勢で突っ走るのが、サラリーマンとしては出世の近道には違いないのだが、目の前にぶら下がっている“二つのニンジン”、すなわち“出世”と“仕事の成功”の、どちらに目を向けて走るかが問題なのだ。
 私もサラリーマンとして偉そうなことを言える成功者とはいえない。が、社長にはならないまでも一応役員になった人間の体験から言わせて貰えば“出世”を睨んで突っ走るくらい結果として損なこともない。
“出世”が頭から離れない人間は、かりに取り組んだ仕事を成功させても、それが出世に結びつく評価を受けないと腹を立て、僻《ひが》んで脇へ縒《よ》れて、自分から逆に出世を遠ざけるようになりがちな例を多く見てきたからだ。
“出世”にしろ報酬にしろ、それはすべて結果に過ぎず、目の前の一つ一つの仕事を自分の誇りにかけて成就させていこうという姿勢を継続させることの出来る人間こそ最後の勝者たり得るということを忘れて欲しくない。
 権力志向の強過ぎる出世亡者の野望癖くらい醜く、社内の人望を失い易いことに、君ももう気づいていることだろうからこれ以上くどくどしくは書くまい。ただときどきは自分が“卑”に堕ちていないか、品性に欠けていないかと振り返る男であって欲しいと思うだけだ。
 
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