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ぐうたら愛情学102

时间: 2020-10-10    进入日语论坛
核心提示:夫婦喧嘩のときの屁理屈 夫婦喧嘩は犬も食わぬという諺があるが、お互い、考えてみれば、実にツマらん、アホらしい動機でわれわ
(单词翻译:双击或拖选)
 夫婦喧嘩のときの屁理屈
 
 夫婦喧嘩は犬も食わぬという諺があるが、お互い、考えてみれば、実にツマらん、アホらしい動機でわれわれは夫婦喧嘩をしているようだな。
 友人の和辻君が、ある日、憂鬱そうな顔をしているので、どうした、とたずねたら、やっぱり奥さんと喧嘩したといっておった。理由をきいたら、実際ばかばかしくなったよ。彼の家の台所で突然、買ったばかりの魚がなくなった。和辻君はのら犬のしわざだと言い、奥さんは隣りのネコが盗んだのだと言い、意見が対立しているうちはよかったが、それが段々とスサまじい口論になってしまった。他人が聞けば、実にアホらしい話だが、われわれの夫婦喧嘩もたいていはこういう実にツマランことからはじまっていることが多いんじゃないかと、つくづく反省したよ。
 しかしなぜツマランことが夫婦の間では喧嘩の種になるか。友人同士、他人同士なら笑ってすませられることが夫婦の間では口論となり、ののしりあい、あげくの果ては「コンな憎らしいやつは世の中におらん」と夫は考え、「ああいやだ、いやだ。こんな男となぜ結婚したんだろう」と妻は思うようになるのか。そいつを今日は君とじっくり考えてみようじゃないか。
 そりゃ、君のほうにも色々と言い分のあることはわかるよ。こちらも男だからわがままだ。勝手なところもあろう。しかしそれはそれとして、夫の言い分も聞いてくれないか。
 夫婦喧嘩の際、ぼくがいちばん閉口するのは、女の理屈というやつだ。いや、もっとハッキリ言うと理屈にならん理屈だ。
 ぼくの観察によると、男の理屈と女の理屈とはもともと本質的に平行線の部分があって、時には永久に交わらないのではないかしらん。
 というのは、君は——いや君だけではなく世の中の大半の細君は——夫婦喧嘩となると、どうやっても勝とうとする。なにがなんでも夫を言い負かそうとする。そのときは理屈のすじ道も論理の正しさもあったもんじゃない。
 この際、細君が使う戦法は三つある。一つは部分をことさらに拡大して言う言い方であり、第二は論理の飛躍であり、第三は過去に対するおそるべき記憶力の駆使によって、強引にそれを裏づけようとすることだ。
 話が理屈っぽくなったから、わかりやすく言わせてもらおう。
 部分を拡大する細君の言い方とは次のようなものである。
「あれほど遅くなるなら電話をかけてくださいと言ったのに、なぜかけてくださらないんです。こっちは自動車にひかれたんじゃないか、なにか事故でもあったんじゃないかと十二時まで起きていたんですよ。寝床にはいったのは十分前なんですから。ウソだと思ったらこのシーツをさわってごらんなさい。まだ温かくなっていないでしょう。そうやって毎晩心配させて、あたしが病気になっても、あなたは知らん顔なんですね。どうせ、そうです。やがてあたしが病気になってひとりぽっちで寝こんでも、あなたは平気な顔をしてお酒を友だちと飲んでられるんですよ。そしてあたしは寒々とした部屋で、だれにも看病してもらえず死んでいくんですから……」(このあたりで、その未来の部屋の情景がはっきり浮かぶらしく悲しくなって涙ぐむ)
 電話をかけなかったということが、いつの間にか細君の論理の中では、飛躍して自分が病気になってもほうっておく亭主というイメージにまで拡大されていくのに注意されよ。
 さらに彼女は言う。
「そしてあたしは寒々とした部屋でだれにも看病されずに死んでいくんですから、要するに、あなたは口でうまいことを言っても、私に一回だって思いやりをかけてくれたことがないんですから」
「そんなばかなことがあるものか」
 たまりかねた夫がうっかり抗弁しようものならたいへんである。なぜなら細君はこういうとき、彼女の持っている強力な武器——つまり先ほど言った過去に対する恐るべき記憶を駆使して夫をねじ伏せてしまうからだ。
「そうですか。本当にそうですか。なら申しあげますけど、あなたは四年前の結婚記念日に、あたしと出かけるって約束しておきながら多田さんと飲みにいったじゃありませんか。少しでも思いやりがあれば、ああいうことはできないはずです」
「あれ……あのことは……もうアヤまってすんだじゃないか」
「それなら二年前の十二月十五日はどうです。夜中に私が腹痛を起こしたのに、医者も呼んでくださらず、トンプクでも飲んどけ、と言ったきり眠りこんでいたじゃないの」
「それも、もうわびた過去のことだろ」
「去年の三月八日のことを言いましょうか。あなたは……」
「ああ助けてくれえ……」
 こういうふうに過去に対する細君の記憶力のよさを見ていると、ぼくら男性には、女というものが牛のように見えてくるのだ。女はなにか仕事をしながらも、牛が胃袋のものをもどしてはたべ、もどしては反すうするように、過去の出来事をたえず反すうしてかみしめているのではないかしらん。
 暴力をふるう夫というのがいる。もちろん暴力というのはよくないが、彼らの十パーセントはおそらく細君と口喧嘩をはじめたとき、彼女たちの理屈にならぬ理屈に言い負かされ、思わず手が出るのではないだろうか。問答無用というのではなく問答がとても成りたたぬからついカッとして手を出してしまうのだろう。(男というのはその点、まだ小児的である)
 だからぼくは君に提案する。われわれ夫婦は決して二宮尊徳先生ご夫妻や孔子夫妻とはちがうのだから喧嘩せずにはいられないだろう。喧嘩はじっと黙りこんだ冷戦よりまだマシな気がする。
 しかし、なにがなんでも相手に勝とうとするのはお互いやめようじゃないか。ぼくも他の人とは決してそうではないのに、君と喧嘩をするときは不思議に「どうしても勝とう」とする。君もぼくを強引にねじ伏せようとする。思えばこれこそ、まさに小児的だ。今日からは、この点にまず注意しあおうよ。
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