スーパーで、野菜を「キュウリ」「サツマイモ」のようにカタカナで書くのはなぜですか?
こたえ
動植物の名前には、カタカナで表記する習慣があります(「サル」「ウマ」「バラ」「ユリ」など)。これは、生物学で和名をカタカナ表記する慣用に由来すると思われます。和名は日本国内での動植物の正式な呼び方で、もともと地方ごとに大きく異なっていた呼び名を標準化したものです。和名を一般にカタカナで表記するのは、表記形を統一するという意味があるものと思われます。例えば、生物学の分野では、動植物の学名はアルファベットで表記されます。学名をアルファベットで表記すれば、それが実際にどのように発音されるかということとは無関係に、国際的に同じ表記形を用いることができます。同じように、和名にも、カタカナを用いれば表記形を統一することができるということでしょう。漢字や平仮名では表記が煩雑になったり、表記に「ゆれ」のでる可能性もあります。また、平仮名では語を同定する機能も低くなるでしょう。
スーパーマーケットなどで野菜・果物の名前(商品名)をカタカナで表記するのは、動・植物名をカタカナで表記する習慣に従ったものだと思われます。但、カタカナで表記するという規範が確立しているわけではないので、「みかん」「大根」「南瓜かぼちゃ」「ほうれん草」などの多様な表示が見られることにもなっています。