「一年にわたって」と「一年を通して」?どっちも意味が似てるけど、違いがはっきり説明できません。
こたえ
微妙な違いですが、それぞれの意味は、基本的に
~にわたって:何かが長い期間・範囲に及ぶことをいう
~をとおして(通して):何かが始めから終わりまで続くことをいう
~をつうじて(通じて):何かが期間・範囲の全体に及ぶことをいう
ということではないかと思います。違いということでいえば、
~にわたって:期間(範囲)が十分に長い(広い)という気持ちがある
~をとおして:始めから終わりまで「ずっと」という気持ちがある
~をつうじて:期間・範囲が「ひとまとまりの全体」だという意識がある
ということでしょう。「通して」と「通じて」は、同じ漢字で書くことからもわかるように、意味はかなり似ていますが、「通じて」の方が一般的に(より多くの語句に接続すして)使えると思います。
したがって、
一年にわたって:
例文「一年にわたって輸入禁止が続いた」
→1年という期 間がかなり長いという気持ちをあらわす
一年を通(とお)して:
例文「一年を通して涼しい日が続いた」
→年の最初 の日から最後の日までずっと涼しかったということ(〈継続した〉という意識が強い)
一年を通(つう)じて:
例文「一年を通じて気温が高かった」
→1年間、平 均的に見て気温が高かったということ(〈全体的に〉という意識が強い)
(3日にわたって ×3日を通して ×3日を通じて)雨が降り続いた
「3日にわたって」→雨の降っている〈時間が長い〉という気持ち
(??四季にわたって 四季を通(とお)して 日本は四季を通じて)気候が良い
「四季にわたって」→必ずしも間違いではないが、やや不自然な表現と感じられる
「四季をとおして」→「ずっと」気候が良いという継続の意識が強い
「四季をつうじて」→「四季」という「ひとまとまりの全体」の中で平均して気候が良いということ