会意文字と形声文字の区別がつかないのですが、どのように見分けたら良いのでしょうか?
こたえ
日常的な言語使用において、漢字の成り立ちを見分けなければならないということは、おそらくないでしょう。ただ、国語や日本語教育能力検定の試験では、漢字の成り立ちに関する知識が問われることがあります。漢字の成り立ちを見分けなければならないとき、会意と形成との区別にはやや難しいところがあるようです。そもそも、漢字の字源(解釈)にはあやふやな部分も少なくなく、通説とされるものの中にさえ根拠の薄弱なものがあるようです。そのため、字書・字典によって「会意文字」と「形声文字」の判断に違いがあるといったこともありえます。
会意文字も形声文字も、既存の文字の組み合わせによって構成される文字という点では同じです。複数の文字のいずれからも意義をとって構成される(基本的に音は関係しない)のが会意文字、複数の文字の一方から意義をとって、一方から音をとって構成されるのが形声文字です。したがって、部分の音が全体の音に通じるかどうかという点で見分けるのが一般的な方法ということになります。また、同字の反復と見られる字体を持つ漢字は、会意文字である可能性が高いと判断することもできます(「林」「炎」「北」「森」など)。あるいは、漢字の約9割が形声文字であるといわれていることから、「休」「位」「信」「明」「孫」などの代表的な会意文字を覚えておくこともできるかもしれません。すでに述べたように、会意文字と形声文字の厳密な判断には困難な部分もあるため、試験問題には代表的なものしか現われないでしょう。また、国字(日本で造字された漢字)は主に会意文字ですから、国字と一緒に覚えるのもいいかもしれません。