「彼はできるかぎり明るい人と友達になりたい」と「彼はできるだけ明るい人と友達となりたい」。どうも上の方がキツイと思うのは気のせいですか?
こたえ
実際に「できるかぎり」の方が意味が強いでしょう。「できるだけ」には、「なるべく」「もし可能ならばその範囲で」などの意味がありますが、「できるかぎり」は「能力や状況の範囲で最上の(最善の)」ということになります。
たとえば、「できるだけ早く来てください。」とはいえますが、「できるかぎり早く来てください。」は、(文法の間違いはありませんが)言いにくい感じがします。「できるかぎり早く来てください。」と言われた場合、「とにかく早くこい」といわれている感じがします。これは、相手(聞き手)に不要な負担をかけるため、丁寧な表現とはいえません。
ただ、「できるだけの努力はしたが、だめだった。」と「できるかぎりの努力はしたが、だめだった。」では、それほど意味合いの違いは感じられません(ただ、「できるだけ」が口語的なのに対して、「できるかぎり」はより文章語的な語感があります)。したがって、「できるだけ」は文脈に応じて、「もし可能ならばその範囲で」という比較的弱い意味から「能力や状況の範囲で最上の(最善の)」という強い意味までをあらわし、「できるかぎり」は「能力や状況の範囲で最上の(最善の)」という強い意味を持つといえるのではないでしょうか。「できるかぎり」の「限り」は文字通り「限界まで」という意味です。