M : ホスト
K : 客
Y : 客、菊池の妻
W :いらっしゃいませ。
M : お昼に予約した者ですが。
W : 三名のお客様ですね。では、奥のお座席へどうぞ。
W : メニューです。どうぞ。
M : 前菜はどんなものがありますか。
W : 冷たいソーセージ、マッシュポテト、松茸の酢の物、それから、ピーナツの炒めものなどいろいろあります。
M : お二人、何にしましょうか。
K : 三浦さんにまかせます。
M : じゃあ、マッシュポテト、松茸の酢の物を先に持ってきてください。
W : かしこまりました。
M : あのう、菊地さん、どんなお酒がお好きですか。
K : ブランデーが好きです。
M : それじゃ、金メダルブランデーを一本。奥さんもこれでいいですか。
Y : いえ、ちょっと飲んでも顔に出るので、ジュースをいただきましょう。
M : そんなこと言わないでください。せめてビールぐらいなら大丈夫でしょう。じゃなかったら、ウィスキーの水割りでもいいですが。
Y : それなら、ほんの少しだけ……
M : ウィスキ-の水割り一杯。氷も入れて。
[ 三人がテーブルに置かれているクラッカ-を飲べ、紅茶などを飲みながら、前菜を待っている。]
M : まさか長崎でご夫妻に出会うとは思いもよりませんでした。ここの西洋料理は有名なんですよ。まずスープは何にしましょうか。
Y : やっぱりあっさりしたものが夏向きですが。
M:そうですね。じゃ、トマトと豆のスープにしてみましょう。それから、メニューを見ながらえびのソテー、チキンカツ、ステーキ、ハンバーグ、ポテトサラダ……[Wに]あのね、若鶏のから揚げがほしいんですが、メニューにはないですよね。
W: メニューにないものでも、ご希望に応じてお作りいたしましょう。
M : じゃあ、これも注文します。
W : はい。少々お待ちください。
W : お待たせいたしました。テーブルの上にジャムがありますのでどうぞ。
M : ありがとう。さあ、お二人、どうぞお好きなようなように召し上がってください。
K : こんなに心遣いしていただいて、恐れ入りますね。
M : いや、ほんの気持ちだけで……奥さん、お話もいいけど、おはしのほうも動かしてくださいよ。
Y : いただいていますわ。
……
M : 菊地さん、もう一杯?
K ; もうだめです。
M : 奥さんは?
Y : 私も十分です。これ以上飲んだら、本当に酔ってしまいますから。
W : お客様、ライスにしますか、パンにしますか。
M : ウエートレスさん、デザートをお願いします。
W : はい。カスタードプディングはいかがですか。
M : ええ、そうします。フルーツの盛り合わせも一つ。それから、コーヒーを下さい。
W : ミルクとお砂糖はどうしますか。
M : お願いします。
W : はい、かしこまりました。