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浄土ヶ浜で延年の舞 震災犠牲者を思う
7月8日 6時41分
世界遺産の平泉(ひらいずみ)に古くから伝わる「延年の舞」、平安時代から伝わる国の重要無形民俗文化財で、毎年1月に平泉町の毛越寺(もうつうじ)で奉納されてきました。昨夜、岩手県宮古市の浄土ヶ浜(じょうどがはま)で震災で犠牲になった人を供養しようと上演されました。
浄土ヶ浜の海岸近くに特別に設置された舞台、白い岩山と海を背景にした幻想的な雰囲気のなか、延年の舞が披露されました。
きのうの午後、延年の舞を舞う僧りょなど50人が浄土ヶ浜に到着し、舞台の小道具(こどうぐ)の準備やリハーサルを行ないました。これまで、この舞が寺の境内以外で披露されることはほとんどありませんでした。宮古市の市民団体が震災で犠牲になった人たちを供養してほしいと呼びかけ、初めて実現しました。
「強い宮古の方々のお気持ちをお聞かせいただいたもんですから、私どももそのお気持ちにこたえたいということになりました。すべての被災者、亡くなった方のために舞いたいというふうに思っております。」
「ご案内をいたします。」
この日にむけて、ボランティア60人以上が集まり、ステージの設置やとうろう作りをしてきました。当日、海には500個のとうろうが浮かべられました。
こちらは、年老いた女性が災いのない平和を願う「老女」という演目です。亡くなった人の供養と生きている人たちの平穏を願う意味が込められています。
昨夜は、雨のなか、およそ1300人が訪れ、震災で犠牲になった人たちを改めて追悼していました。
「亡くなった方もいますけれどもね、本当の祈りになったのかなという感じはします。」
「幽玄な感じがして、本当に感動しました。私もやはり親戚とか、知ってる方を亡くしましたので、その方たちのことを思いながら見ていました。」