九州北部で大雨続く 河川の氾濫も
7月14日 11時50分
九州北部では、非常に激しい雨が降りつづき、福岡県や大分県では、川があふれ被害が相ついでいます。福岡県柳川市(やながわし)八女市(やめし)の全域に避難指示が出るなど、およそ24万人に避難指示が出ています。九州北部では、引き続き局地的に1時間に80ミリを超える猛烈な雨が降るおそれがあり、川の氾濫などに、より厳重な警戒が必要です。
午前11時すぎに撮影した福岡県の久留米市と朝倉市などを流れる筑後川(ちくごがわ)周辺の映像です。川ぞいの田畑がかん水しています。どこまでが川なのかわからないほど一面が水びたしになっています。
「住宅街を通る道路が完全に水没しています。」
黒い車がバンパーのあたりまで水に浸かっています。水は、筑後川の支流の桂川(かつらがわ)からあふれているということです。
こちらは、大分県中津市を流れる山国川の午前7時の映像です。川の水があふれ、ドライブインが屋根の近くまで水に浸かっています。中津市 耶馬溪町(やばけいまち)柿坂では、午前6時に氾濫の危険性が高い氾濫危険水位の4メートル80センチを超える5メートル38センチに、午前8時すぎには8メートル21センチに達しました。その後、観測データが送信されなくなりましたが、午前11時40分現在、水位は徐々に下がってきているということです。
同じ大分県の花月川(かげつがわ)は、日田市花月で午前7時に、氾濫危険水位の3メートル35センチを超える4メートル28センチに達しました。その後、水位は下がり、午前11時20分には1メートル62センチとなっています。日田市では有田川(ありたがわ)でも水があふれました。大分県の広瀬知事は、日田市で大雨の被害が広がっているとして、災害対策基本法に基づき、陸上自衛隊の出動を要請しました。
福岡県うきは市の隈の上川(くまのうえがわ)も水があふれました。うきは市の西隈の上では、午前7時に氾濫危険水位の2メートル88センチを超える3メートル35センチに達しました。水位は、いったん下がりましたが、午前11時20現在で、2メートル86センチと再び氾濫危険水位にせまっています。
このほか、福岡県の複数の川が洪水の危険水が高い氾濫危険水位に達しています。国土交通省などは、洪水の危険性が非常に高まっているとして、氾濫危険情報を出して、厳重に警戒するよう呼びかけています。
気象庁によりますと、この時間、九州北部に発達した雨雲が集中してかかっています。
福岡県八女市付近と筑後市付近では、気象庁のレーダーによる解析で、午前9時半までの1時間に、いずれもおよそ110ミリの猛烈な雨が降ったとみられます。福岡県八女市黒木町では、午前9時47分までの1時間に、統計をとり始めてから、もっとも多い91.5ミリの猛烈な雨が降り、この24時間の雨の量はすでに450ミリを超えています。
また、午前11時までの1時間には、熊本県 上天草市(かみあまくさし)松島で、58.5ミリの非常に激しい雨が、熊本空港で31ミリの激しい雨が降りました。
福岡県、佐賀県、大分県、それに熊本県では、土砂災害の危険性が非常に高くなっている地域があります。また、福岡県と大分県では、川が増水して一部が氾濫したり、氾濫の危険性が高くなっていたりする地域があります。気象庁によりますと、九州北部と山口県では、雨雲が発達しやすい状態が続き、局地的に雷や突風をともなって、1時間に80ミリの猛烈な雨が降るおそれがあります。
福岡県や大分県の多いところでは、この24時間に降った雨の量が400ミリ前後になり、熊本県阿蘇市 乙姫(おとひめ)では、この3日間に降った雨の量が750ミリを超える大雨になっています。
また、西日本から東北の広い範囲で、大気の不安定な状態が続き、各地で雷や突風をともなって、激しい雨が降るおそれがあります。気象庁は、川の氾濫や、低い土地の浸水、それに土砂災害に、より厳重な警戒をするとともに、落雷や竜巻などの突風にも警戒するよう呼びかけています。