第3章 夜の騎士ナイトバス The Knight Bus
トランクを引きずり、息を弾はずませながら、ハリーはいくつかの通りを歩き、マグノリア・クレセント通りまで来ると、低い石いし垣がきにがっくりと腰を下ろした。じっと座っていると、まだ収まらない怒りが体中を駆かけ巡めぐり、心臓が狂ったように鼓動こどうするのが聞こえた。
しかし、暗い通りに十分ほど独ひとりぼっちで座っていると、別な感情がハリーを襲おそった。パニックだ。最悪の八はっ方ぽう塞ふさがりだ。真っ暗くら闇やみのマグルの世界で、まったくどこに行く当てもなく、たった一人で取り残されている。もっと悪いことに、たったいま、本当に魔法を使ってしまった。つまり、ほとんど間違いなく、ホグワーツ校から追つい放ほうされる。「未み成せい年ねん魔法まほう使つかいの制せい限げん事項じこう令れい」をこれだけ真正面から破れば、いまこの場に魔ま法ほう省しょうの役人が空から現れて大捕おおとり物になってもおかしくない。
ハリーは身震みぶるいし、マグノリア・クレセント通りを端はしから端まで見回した。いったいどうなるんだろう? 逮捕たいほされるのかそれとも魔法界の爪つま弾はじき者になるのだろうか? ハリーはロンとハーマイオニーのことを思った。そしてますます落ち込こんだ。罪つみ人びとであろうとなかろうと、二人ならきっといまのハリーを助けたいと思うに違いない。でも、いまは二人とも外国にいる。ヘドウィグもどこかへ行ってしまって、二人とは連れん絡らくの術すべもない。
第3章 骑士公共汽车
哈利瘫坐在木兰花新月街的一道矮墙上的时候,他已经离家有几条街了,由于拖着箱子,累得气喘吁吁。他很安静地坐着,满腔怒气仍然没有平息,心脏还在猛烈地跳动。
但是,在这条黑暗的街上独自坐了十分钟以后,一种新的感觉突然侵袭到他心中,那就是:恐慌。不管怎么样,他从来没有遇到过比现在更坏的情况。他很孤独地搁浅在黑暗的麻瓜世界里,没有任何地方可以去。最糟的是,他刚才正经施展了魔法,这意昧着他几乎肯定要被霍格沃茨学校开除了。他严重破坏了《限制未成年人使用魔法的法令》,魔法部的代表竟然没有到他现在坐着的地方对他进行突击,这让他诧异不已。
哈利全身颤抖,往木兰花新月街左右看着。他会遇到什么事呢?他会被捕或是干脆被逐出魔法界吗?他想到了罗恩和赫敏,情绪更低了。哈利可以肯定,不管他是不是罪犯,罗恩和赫敏都会想法帮助他的,不过现在他们两个人都在国外,而且海德薇又飞走了,他没法和他们俩取得联络。