第8章「太った婦人レディ」の逃とう走そう Flight of the Fat Lady
「闇やみの魔ま術じゅつに対する防ぼう衛えい術じゅつ」は、たちまちほとんど全生徒の一番人気の授じゅ業ぎょうになった。ドラコ?マルフォイとその取り巻き連中のスリザリン生だけが、ルーピン先生の粗あら探さがしをした。
「あのローブのざまを見ろよ」
ルーピン先生が通ると、マルフォイは聞こえよがしのひそひそ声でこう言った。
「僕ぼくの家の『屋敷やしきしもべ妖よう精せい』の格かっ好こうじゃないか」
しかし、ルーピン先生のローブが継つぎはぎだろうと、ボロだろうと、他には誰一人として気にする者はいなかった。二回目からの授業も、最初と同じようにおもしろかった。まボねガ妖ー怪トのあとは、赤帽鬼レッドキャップで、血の匂においのするところならどこにでも潜ひそむ、小鬼こおにに似た性しょう悪わるな生き物だ。城の地ち下か牢ろうとか、戦せん場じょう跡あとの深い穴などに隠れ、道に迷った者を待ち伏ぶせて棍こん棒ぼうで殴なぐる。赤帽鬼が終わると、次は河童カッパに移った。水に住む気き味みの悪い生き物で、見た目は鱗うろこのあるサルだ。何も知らずに池の浅瀬あさせを渡わたる者を、水中に引ひっ張ぱり込こみ、水かきのある手で絞しめ殺したくてうずうずしている。
他の授業も同じくらい楽しいといいのにとハリーは思った。「魔ま法ほう薬やく」の授業は最悪だった。スネイプはこのごろますます復ふく讐しゅうムードだったが、理由は、はっきりしていた。まね妖怪がスネイプの姿になった、ネビルがそれにばあちゃんの服をこんなふうに着せた、という話が学校中に野の火びのように広がったからだ。スネイプにはこれがおもしろくもおかしくもない。ルーピン先生の名前が出ただけで、スネイプの目はギラリと脅おどすように光ったし、ネビルいじめはいっそうひどくなった。
第8章 胖夫人逃走
很快,黑魔法防御术就成为多数人喜爱的一门课了。只有德拉科.马尔福和他那一帮子斯莱特林院的人说卢平教授的坏话。“看看他的袍子,”卢平教授走过的时候,马尔福会大声说,“他穿得像我们家里的小精灵。”
但除了他们以外,没有人在意卢平教授的袍子有补丁又毛了边。他以后的几堂课都和第一堂课一样地生动有趣。在博格特以后,他们研究了红帽子,这是一种妖怪一样令人不愉快的小家伙,什么地方有谁流血了,它们就在什么地方潜伏着,在城堡主楼里,在荒无人迹的战场的坑洼里,它们等着要猛烈攻击那些迷路的人。他们从红帽子又到了卡巴,这是一种爬行的水生动物,看上去像有鳞的猴子,双手有蹼,忙着要扼死不知深浅地走在它们池塘里的涉水者。
哈利但愿自己对其他课程也这样有兴趣。最糟的是魔药课。这些天来,斯内普特别想报复,大家都清楚这是为什么。关于博格特现形为斯内普,纳威让它穿上他祖母的衣服这个故事在校园里不胫而走,传得飞快。斯内普似乎不觉得这有什么好笑。一提到卢平教授的名字,他的眼睛里就闪现着威胁的光芒,他现在比以前更加欺负纳威了。