「モリー、何度言えばわかるんだね? 新聞に載のっていないのは、ファッジがそれを秘密ひみつにしておきたいからなんだ。しかし、ブラックが脱だっ走そうしたあの夜、ファッジはアズカバンに視察しさつに行ってたんだ。看かん守しゅたちがファッジに報ほう告こくしたそうだ。ブラックがこのところ寝言ねごとを言うって。いつもおんなじ寝言だ。『あいつはホグワーツにいる……あいつはホグワーツにいる』。ブラックはね、モリー、狂っている。ハリーの死を望んでいるんだ。私の考えでは、ヤツは、ハリーを殺せば『例れいのあの人』の権けん力りょくが戻もどると思っているんだ。ハリーが『例のあの人』に引いん導どうを渡したあの夜、ブラックはすべてを失った。そして十二年間、ヤツはアズカバンの独どく房ぼうでそのことだけを思いつめていた……」
沈ちん黙もくが流れた。ハリーは続きを聞き漏もらすまいと必死ひっしで、ドアにいっそうピッタリと張はりついた。
「そうね、アーサー、あなたが正しいと思うことをなさらなければ。でも、アルバス・ダンブルドアのことをお忘れよ。ダンブルドアが校長をなさっているかぎり、ホグワーツではけっしてハリーを傷つけることはできないと思います。ダンブルドアはこのことをすべてご存知ぞんじなんでしょう?」
「もちろん知っていらっしゃる。アズカバンの看かん守しゅたちを学校の入口付近に配備はいびしてもよいかどうか、我われ々われ役所としても、校長にお伺うかがいを立てなければならなかった。ダンブルドアはご不満ではあったが、同意した」
「ご不満? ブラックを捕つかまえるために配備されるのに、どこがご不満なんですか?」
「ダンブルドアはアズカバンの看守たちがお嫌いなんだ」
ウィーズリー氏の口く調ちょうは重苦しかった。
一片静寂。哈利又向门靠近了一点儿,极想多听到一些。