「よくやった!」全員が拍はく手しゅする中、ルーピン先生が大声を出した。
「ネビル、よくできた。みんな、よくやった。そうだな……まね妖怪と対決したグリフィンドール生一人につき五点をやろう。――ネビルは十点だ。二回やったからね――。ハーマイオニーとハリーも五点ずつだ」
「でも、僕ぼく、何もしませんでした」ハリーが言った。
「ハリー、君とハーマイオニーはクラスの最初に、私の質問に正しく答えてくれた」
ルーピンはさりげなく言った。
「よーし、みんな、いいクラスだった。宿題だ。ボガートに関する章しょうを読んで、まとめを提てい出しゅつしてくれ……月曜までだ。今日はこれでおしまい」
みんな興こう奮ふんしてぺちゃくちゃ言いながら職しょく員いん室しつを出た。しかし、ハリーは心が弾はずまなかった。ルーピン先生はハリーがまね妖怪と対決するのを意い図と的てきに止めた。どうしてなんだ? 汽車の中で僕が倒れるのを見たからなのか、そして僕があまり強くないと思ったのか? 先生は僕がまた気絶きぜつすると思ったのだろうか?
誰も、何も気づいていないようだった。
「バンシーと対決するのを見たか?」シェーマスが叫んだ。
「それに、あの手!」ディーンが自分の手を振り回しながら言った。
「それに、あの帽子ぼうしをかぶったスネイプ!」
「それに、わたしのミイラ!」
「ルーピン先生は、どうして水すい晶しょう玉だまなんかが怖こわいのかしら?」
ラベンダーがふと考え込こんだ。
「『闇やみの魔ま術じゅつに対する防ぼう衛えい術じゅつ』じゃ、いままでで一番いい授じゅ業ぎょうだったよな?」
カバンを取りに教室に戻もどる途と中ちゅう、ロンは興こう奮ふんしていた。
「ほんとにいい先生だわ」ハーマイオニーも賛さん成せいした。「だけど、私もまボねガ妖ー怪トに当たりたかったわ――」
「君なら何になったのかなぁ?」ロンがからかうように笑った。
「成せい績せきかな。十点満まん点てんで九点しか取れなかった宿題とか?」