「ねえ、論ろん理り的てきに考えてよ」ハーマイオニーは集まったみんなに向かって言った。
「つまり、ビンキーは今日死んだわけでもない。でしょ? ラベンダーはその知らせを今日受け取っただけだわ――」
ラベンダーの泣き声がひときわ高くなった。
「――それに、ラベンダーがそのことをずっと恐れていたはずがないわ。だって、突とつ然ぜん知ってショックだったんだもの――」
「ラベンダー、ハーマイオニーの言うことなんか気にするな」ロンが大声で言った。
「人のペットのことなんて、どうでもいいやつなんだから」
ちょうどその時、マクゴナガル先生が教室のドアを開けた。まさにグッド・タイミングだった。ハーマイオニーとロンが火花を散らして睨み合っていた。教室に入ってもハリーを挟はさんで両側に座り、授じゅ業ぎょう中ずっと口も利きかなかった。
終しゅう業ぎょうのベルが鳴ったが、ハリーはマクゴナガル先生にどう切り出すか、まだ迷まよっていた。ところが、先生のほうからホグズミードの話が出た。
「ちょっとお待ちなさい!」みんなが教室から出ようとするのを、先生が呼び止めた。
「みなさんは全員私わたくしの寮りょうの生徒ですから、ホグズミード行きの許きょ可か証しょうをハロウィーンまでに私わたくしに提てい出しゅつしてください。許可証がなければホグズミードもなしです。忘れずに出すこと!」
「あのー、先生、ぼ、僕ぼく、なくしちゃったみたい――」ネビルが手を挙あげた。
「ロングボトム、あなたのおばあさまが、私わたくしに直送なさいました。そのほうが安全だと思われたのでしょう。さあ、それだけです。帰ってよろしい」
「いまだ。行け」ロンが声を殺してハリーを促うながした。
「でも、ああ――」ハーマイオニーが何か言いかけた。
「ハリー、行けったら」ロンが頑固がんこに言い張はった。