「紅茶はどうかな?」ルーピンはヤカンを探した。「私もちょうど飲もうと思っていたところだが」
「いただきます」ハリーはぎごちなく答えた。
ルーピンが杖つえで叩たたくと、たちまちヤカンの口から湯ゆ気げが噴ふき出した。
「お座り」ルーピンは埃ほこりっぽい紅茶の缶かんのふたを取った。
「すまないが、ティー・バッグしかないんだ。――しかし、お茶の葉はうんざりだろう?」
ハリーは先生を見た。ルーピンの目がキラキラ輝かがやいていた。
「先生はどうしてそれをご存知ぞんじなんですか?」
「マクゴナガル先生が教えてくださった」
ルーピンは縁ふちの欠けたマグカップをハリーに渡わたした。
「気にしたりしてはいないだろうね?」
「いいえ」一いっ瞬しゅん、ハリーは、マグノリア・クレセント通りで見かけた犬のことを、ルーピンに打ち明けようかと思ったが、思い止とどまった。ルーピンに臆おく病びょう者ものと思われたくなかった。ハリーは「まボねガ妖ー怪ト」にも立ち向かえないと、ルーピンにそう思われているらしいので、なおさらだった。
ハリーの考えていることが顔に出たらしい。
「心配事があるのかい、ハリー」とルーピンが聞いた。
「いいえ」
ハリーは嘘うそをついた。紅茶を少し飲み、水魔がハリーに向かって拳こぶしを振り回しているのを眺ながめた。
「はい、あります」ハリーはルーピンの机に紅茶を置き、出し抜けに言った。
「先生、まね妖怪と戦ったあの日のことを覚えていらっしゃいますか?」
「ああ」ルーピンがゆっくりと答えた。
「どうして僕ぼくに戦わせてくださらなかったのですか?」ハリーの問いは唐とう突とつだった。
ルーピンはちょっと眉まゆを上げた。
「ハリー、言わなくともわかることだと思っていたが」
ルーピンはちょっと驚いたようだった。
ハリーは、ルーピンがそんなことはないと否定すると予想していたので、意い表ひょうを衝つかれた。
“没有。”哈利说了个谎。他喝了一点茶,看着那格林迪洛对他挥舞着一只拳头。
“有,”他突然说,把茶放在了卢平的桌子上,“您还记得我们对付博格特的那天的事吗?”