試合前日、風は唸うなりを上げ、雨はいっそう激はげしく降ふった。廊下ろうかも教室も真っ暗で、松明たいまつや蝋ろう燭そくの数を増やしたほどだった。スリザリン・チームは余裕よゆうしゃくしゃくで、マルフォイが一番得意とくいそうだった。
「ああ、腕がもう少しなんとかなったらなぁ!」
窓を打つ嵐あらしをよそに、マルフォイがため息をついた。
ハリーの頭は明日の試合のことで一いっ杯ぱいだった。オリバー・ウッドが授じゅ業ぎょうの合間あいまに急いでやってきては、ハリーに指示を与えた。三度目のとき、ウッドの話が長すぎて、気がついた時にはハリーは「闇やみの魔ま術じゅつに対する防ぼう衛えい術じゅつ」のクラスに十分も遅おくれていた。急いで駆かけだすと、後ろからウッドの大声が追いかけてきた。
「ディゴリーは急きゅう旋せん回かいが得意だ。ハリー、宙ちゅう返がえりでかわすのがいい――」
ハリーは「闇の魔術に対する防衛術」の教室の前で急きゅう停てい止しし、ドアを開けて中に飛び込こんだ。
「遅れてすみません。ルーピン先生、僕ぼく――」
教きょう壇だんの机から顔を上げたのは、ルーピン先生ではなく、スネイプだった。
「授業は十分前に始まったぞ、ポッター。であるからグリフィンドールは十点減げん点てんとする。座れ」
しかしハリーは動かなかった。
「ルーピン先生は?」
「今日は気分が悪く、教えられないとのことだ」スネイプの口元に歪ゆがんだ笑いが浮かんだ。
「座れと言ったはずだが?」
それでもハリーは動かなかった。
「どうなさったのですか?」
スネイプはぎらりと暗い目を光らせた。
比赛前夕,风狂雨骤,比以前更加厉害。走廊和教室里乌黑一片,只好多点了些火把和灯。斯莱特林队的确一副沾沾自喜的样子,而且在这方面谁也比不上马尔福。
“啊,要是我的胳膊好一点儿就好了!”他叹道,这时室外的狂风正撞击着窗子。
哈利脑子里除了第二天的比赛以外什么都没有时闻想了。奥利弗伍德在课间不断跑来找他,不断给他提示。伍德第三次这样做的时候,说了很多,哈利突然发现自己要上的黑魔法防御术课已经开始十分钟了,于是拔脚便跑,而伍德还在他后面叫道:“迪戈里的突然转向非常快,哈利,所以你不妨想办法把他缠住—— ”
哈利在黑魔法防御术课的教室外边刹住了脚步,推开门,冲了进去。
“对不起,我迟到了,卢平教授,我—— ”
但是,在讲台上看着他的不是卢平教授,是斯内普。
“这堂课十分钟以前就开始了,波特,我认为应该给格兰芬多扣十分。坐下。”
但是哈利没有动。
“卢平教授哪里去了?”
“他说他今天病得不能上课。”斯内普说,龇牙咧嘴地笑着,“我不是已经叫你坐下了吗?”
但是哈利站在原地不动。
“他怎么不好啦?”
斯内普的黑色眼睛发出光芒。