「罰ばっ則そくだ。ウィーズリー」スネイプは顔をロンにくっつけるようにして、するりと言い放はなった。
「さらに、我わが輩はいの教え方を君が批判ひはんするのが、再び我輩の耳に入った暁あかつきには、君は非常に後こう悔かいすることになるだろう」
それからあとは、物音をたてる者もいなかった。机に座って教科書から狼人間に関して写し書きをした。スネイプは机の間を往いったり来たりして、ルーピン先生が何を教えていたかを調べて回った。
「実にへたな説明だ……これは間違いだ。河童カッパはむしろ蒙古もうこによく見られる。……ルーピン先生はこれで十点満点中八点も? 我輩なら三点もやれん……」
やっとベルが鳴った時、スネイプはみんなを引き止めた。
「各自かくじレポートを書き、我輩に提てい出しゅつするよう。人じん狼ろうの見分け方と殺し方についてだ。羊よう皮ひ紙し二ふた巻まき、月曜の朝までに提出したまえ。このクラスは、そろそろ誰かが締しめてかからねばならん。ウィーズリー、残りたまえ。罰則の仕方を決めねばならん」
ハリーとハーマイオニーは、クラスのみんなと外に出た。教室まで声が届かないところまでくると、みんな堰せきを切ったように、スネイプ攻こう撃げきをぶちまけた。
「いくらあの授じゅ業ぎょうの先生になりたいからといって、スネイプはほかの『闇やみの魔ま術じゅつに対する防ぼう衛えい術じゅつ』の先生にあんなふうだったことはないよ。いったいルーピンに何の恨うらみがあるんだろう? 例の『まボねガ妖ー怪ト』のせいだと思うかい?」ハリーはハーマイオニーに言った。
「わからないわ」ハーマイオニーが沈んだ口く調ちょうで答えた。
「でも、ほんとに、早くルーピン先生がお元気になってほしい……」
五分後にロンが追いついてきた。カンカンに怒っている。