「ブラックの正体が『例れいのあの人』の一味いちみだったからですの?」
マダム・ロスメルタが囁ささやいた。
「もっと悪いね……」ファッジは声を落とし、低いゴロゴロ声で先を続けた。
「ポッター夫妻ふさいは、自分たちが『例のあの人』につけ狙ねらわれていると知っていた。ダンブルドアは『例のあの人』と緩ゆるみなく戦っていたから、数多あまたの役に立つスパイを放はなっていた。その内の一人から情じょう報ほうを聞き出したダンブルドアは、ジェームズとリリーにすぐに危き機きを知らせ、二人に身を隠すよう勧すすめた。だが、もちろん、『例のあの人』から身を隠すのは容易よういなことではない。ダンブルドアは『忠ちゅう誠せいの術じゅつ』が一番助かる可か能のう性せいがあると二人にそう言ったのだ」
「どんな術ですの?」マダム・ロスメルタが息をつめ、夢む中ちゅうになって聞いた。
フリットウィック先生が咳せき払ばらいし、「恐ろしく複ふく雑ざつな術ですよ」と甲高い声で言った。
「一人の、生きた人の中に秘密ひみつを魔法で封ふうじ込こめる。選ばれた者は『秘密の守もり人びと』として情報を自分の中に隠す。かくして情報を見つけることは不可能となる――『秘密の守人』が暴露ばくろしないかぎりはね。『秘密の守人』が口を割らないかぎり、『例のあの人』がリリーとジェームズの隠れている村を何年探そうが、二人を見つけることはできない。たとえ二人の家の居い間まの窓に鼻先を押しつけるほど近づいても、見つけることはできない!」
「それじゃ、ブラックがポッター夫妻の『秘密の守人』に?」
マダム・ロスメルタが囁ささやくように聞いた。
「当然です」マクゴナガル先生だ。
「ジェームズ・ポッターは、ブラックだったら二人の居い場ば所しょを教えるぐらいなら死を選ぶだろう、それにブラックも身を隠すつもりだとダンブルドアにお伝えしたのです。……それでもダンブルドアはまだ心配していらっしゃった。自分がポッター夫妻ふさいの『秘ひ密みつの守もり人びと』になろうと申し出られたことを覚えていますよ」
“比这还要糟呢,亲爱的......”福吉压低了嗓门以一种低沉的声音说了下去,“许多人并不知道波特夫妇明白神秘人在追他们。邓布利多自然是一直不倦地反对神秘人的,他有许多能干的探子。其中一个探子就把这件事告诉了邓布利多,邓布利多马上就告诉了詹姆和莉莉。他劝他们躲起来。邓布利多对他们说,他们最好的机会是那道赤胆忠心魔咒。”
“那玩艺儿怎么起作用啊?”罗斯默塔女士问,因为感兴趣而喘不上气来。弗立维教授清了清嗓子。