「ハリー、君――君、ひどい顔だ」
ハリーは明け方まで眠れなかった。目が覚めた時、寝しん室しつには誰もいなかった。服を着て螺旋らせん階段を下り、談だん話わ室しつまで来ると、そこも空からっぽだった。ロンとハーマイオニーしかいない。ロンは腹をさすりながら蛙かえるペパーミントを食べていたし、ハーマイオニーは三つもテーブルを占せん領りょうして宿題を広げていた。
「みんなはどうしたの?」
「いなくなっちゃった! 今日が休きゅう暇か一日目だよ。覚えてるかい?」
ロンは、ハリーをまじまじと見た。
「もう昼食の時間になるとこだよ。君を起こしにいこうと思ってたところだ」
ハリーは暖だん炉ろ脇わきの椅い子すにドサッと座った。窓の外にはまだ雪が降ふっている。クルックシャンクスは暖炉の前にべったり寝そべって、まるでオレンジ色の大きなマットのようだった。
「ねえ、ほんとに顔色がよくないわ」
ハーマイオニーが心配そうに、ハリーの顔をまじまじと覗のぞき込こんだ。
「大だい丈じょう夫ぶ」ハリーが言った。
「ハリー、ねえ、聞いて」
ハーマイオニーがロンと目配めくばせしながら言った。
「昨日きのう私たちが聞いてしまったことで、あなたはとっても大変な思いをしてるでしょう。でも、大切なのは、あなたが軽はずみをしちゃいけないってことよ」
「どんな?」
「たとえばブラックを追いかけるとか」ロンがはっきり言った。
ハリーが寝ねている間に、二人がこのやり取りを練習したのだと、ハリーには察さっしがついた。ハリーは何も言わなかった。
“哈利,你—— 你脸色不好。”
哈利直到破晓时分才睡着。他醒来时发现宿舍里空无一人。他穿好衣服走下螺旋形楼梯到了公共休息室。那里也没有人,只有罗恩,他正在吃一个蟾蜍薄荷糖,并且在按摩他的胃;还有赫敏,正把家庭作业摊满了三张桌子。
“人都到哪里去了?”哈利问。
“走啦!这是假期第一天,记得吗?”罗恩说,仔细地观察哈利。“差不多要吃午饭了,我本来要马上去叫醒你的。”
哈利一屁股坐进壁炉旁边的那张椅子。窗外雪花仍在飞舞。克鲁克山在壁炉前面摊开四肢躺着,活像一大张姜黄色的毛毯。
“你真的脸色不好,你知道。”赫敏说,焦急地往他脸上看。
“我好好的。”哈利说。
“哈利,听着,”赫敏说,和罗恩交换了一下眼色,“对于我们昨天听到的东西,你一定心烦意乱。但是要紧的是,你一定不能干蠢事。”
“比如?”哈利问。“比如去追寻布莱克。”罗恩尖锐地说。
哈利明白他睡着的时候他们两人已经演练过这样的对话了。他什么也没说。