ハリーはメガネを探し、それを掛かけてから、薄うす明あかりの中を目を凝こらしてベッドの足元を覗のぞいた。小包が小さな山になっている。ロンはもう自分のプレゼントの包み紙を破っていた。
「またママからのセーターだ……また栗くり色いろだ……君にも来てるかな」
ハリーにも届いていた。ウィーズリーおばさんからハリーに、胸のところにグリフィンドールのライオンを編み込んだ真紅しんくのセーターと、お手製てせいのミンスパイが一ダース、小さいクリスマス・ケーキ、それにナッツ入り砂さ糖とう菓が子しが一ひと箱はこ届いていた。全部を脇わきによせると、その下に長くて薄うすい包みが置いてあった。
「それ、何だい?」
包みから取り出したばかりの栗色のソックスを手に持ったまま、ロンが覗き込んだ。
「さあ……」
包みを破ったハリーは、息を呑のんだ。見事な箒ほうきが、キラキラ輝きながらハリーのベッドカバーの上に転ころがり出た。ロンはソックスをぽろりと落とし、もっとよく見ようと、ベッドから飛び出してきた。
「ほんとかよ」ロンの声がかすれていた。
「炎ほのおの雷いかずち・ファイアボルト」だった。ハリーがダイアゴン横よこ丁ちょうで毎日通いつめた、あの夢の箒と同じものだ。取り上げると、箒の柄えが燦さん然ぜんと輝いた。箒の振しん動どうを感じて手を離はなすと、箒は一人で空中に浮かび上がった。ハリーが跨またがるのに、ぴったりの高さだ。ハリーの目が、柄の端はしに刻きざまれた金文字の登とう録ろく番号から、完かん璧ぺきな流りゅう線せん型けいにすらりと伸びた樺かばの小枝の尾まで、吸いつけられるように動いた。
「誰が送ってきたんだろう?」ロンが声をひそめた。
「カードが入っているかどうか見てよ」ハリーが言った。
ロンは、ファイアボルトの包み紙をバリバリと広げた。