「ナンセンス!」パーシーはとんでもないという顔をした。
「ロン、食べすぎたんだろう。――悪い夢でも――」
「本当なんだ――」
「おやめなさい! まったく、いい加減かげんになさい!」
マクゴナガル先生が戻ってきた。肖しょう像ぞう画がの扉とびらをバタンといわせて談話室に入ってくると、怖こわい顔でみんなを睨にらみつけた。
「グリフィンドールが勝ったのは、私わたくしもうれしいです。でもこれでは、はしゃぎすぎです。パーシー、あなたがもっとしっかりしなければ!」
「先生、僕はこんなこと、許可きょかしていません」パーシーは憤ふん慨がいして体が膨ふくれ上がった。
「僕はみんなに寮に戻るように言っていただけです。弟のロンが悪い夢にうなされて――」
「悪い夢なんかじゃない!」ロンが叫んだ。
「先生、僕、目が覚めたら、シリウス・ブラックが、ナイフを持って、僕の上に立ってたんです」
マクゴナガル先生はロンをじっと見み据すえた。
「ウィーズリー、冗じょう談だんはおよしなさい。肖像画の穴をどうやって通過つうかできたというんです?」
「あの人に聞いてください!」ロンはカドガン卿きょうの絵の裏うら側がわを、震ふるえる指で示した。
「あの人が見たかどうか聞いてください――」
ロンを疑わしそうな目で睨にらみながら、マクゴナガル先生は肖しょう像ぞう画がを裏うらから押して、外に出ていった。談だん話わ室しつにいた全員が、息を殺して耳をそばだてた。
「カドガン卿きょう、いましがた、グリフィンドール塔とうに男を一人通しましたか?」
「通しましたぞ。ご婦人ふじん!」カドガン卿が叫さけんだ。
談話室の外と中とが、同時に愕がく然ぜんとして沈ちん黙もくした。
「と――通した?」マクゴナガル先生の声だ。「あ――合あい言こと葉ばは!」
「持っておりましたぞ!」カドガン卿は誇ほこらしげに言った。
「ご婦人、一週間分全部持っておりました。小さな紙切れを読み上げておりました!」
マクゴナガル先生は肖像画の穴から戻もどり、みんなの前に立った。驚いて声もないみんなの前で、先生は血の気の引いた蝋ろうのような顔だった。
「誰ですか」先生の声が震ふるえている。「今週の合言葉を書き出して、その辺に放ほうっておいた底抜けの愚おろか者は、誰です?」
咳せき払ばらい一つない静けさを破ったのは、「ヒッ」という小さな悲鳴ひめいだった。ネビル・ロングボトムが、頭のてっぺんから、ふわふわのスリッパに包まれた足の爪つま先さきまで、ガタガタ震えながら、そろそろと手を挙あげていた。
“我肯定没有让他们这么干。教授!”珀西说,义愤填膺地让自己趾高气扬起来。“ 我正在叫他们都回到床上去!我弟弟罗恩做了个噩梦—— ”
“不是噩梦!”罗恩使劲叫。“教授,我醒过来,小天狼星布莱克站在我面前,拿着一把刀!”
麦格教授瞪眼看着他。
“问他!”罗恩说,颤抖的手指着卡多根爵士的画像,“问他有没有看见—— ”
麦格教授怀疑地看了罗恩一眼,又把那幅画推开了,自己走了出去。整个公共休息室都屏住了呼吸。
“当然,女士!”卡多根爵士叫道。
大家惊讶得说不出话来,公共休息室内外都是这样。
“他有口令!”卡多根爵士骄傲地说,“有整个星期的口令呢,女士!从一张小小的纸上读出来的!”
麦格教授从肖像画的洞里走了回来,面对这些谅讶得一言不发的学生,她脸色自得像粉笔一样。
“哪一个,”她说,声音发抖,“哪一个完全无知的傻瓜把这个星期的口令都写了下来而且到处乱放?”
一片沉默,然后有极小的、吓坏了的声音打破了沉默。纳威隆巴顿从脑袋到穿着绒毛拖鞋的脚都发着抖,慢慢地举起了手。