ネビルは面めん目ぼくまるつぶれだった。マクゴナガル先生の怒りはすさまじく、今後いっさいホグズミードに行くことを禁じ、罰ばつを与え、ネビルには合あい言こと葉ばを教えてはならない、とみんなに言い渡わたした。哀あわれなネビルは毎まい晩ばん誰かが一いっ緒しょに入れてくれるまで、談だん話わ室しつの外で待つはめになり、その間、警備けいびのトロールがじろっじろっと胡う散さん臭くさそうに横目でネビルを見た。しかし、それもこれも、ネビルのばあちゃんから届いたものに比べれば、物の数ではなかった。ブラック侵しん入にゅうの二日後、ばあちゃんは、朝食時どきに生徒が受け取る郵便物の中でも、最悪のものをネビルに送ってよこした。――「吼ほえメール」だ。
いつものように、学校のふくろうたちが郵便物を運んで、大おお広ひろ間まにスイーッと舞まい降おりてきた。一羽の大きなメンフクロウが、真まっ赤かな封ふう筒とうを嘴くちばしにくわえてネビルの前に降りた時、ネビルはほとんど息もできなかった。ネビルの向かい側に座っていたハリーとロンには、それが「吼えメール」だとすぐわかった。――ロンも去年一度、母親から受け取ったことがある。
「ネビル、逃げろ!」ロンが忠ちゅう告こくした。
言われるまでもなくネビルは封筒を引っつかみ、まるで爆ばく弾だんを捧ささげ持つように腕うでを伸ばして手紙を持ち、全速力で大広間から出ていった。見ていたスリザリンのテーブルからは大爆笑が起こった。玄げん関かんホールで吼えメールが爆ばく発はつするのが聞こえてきた。――ネビルのばあちゃんの声が、魔法で百倍に拡かく大だいされ、「なんたる恥さらし。一いち族ぞくの恥」とガミガミ怒ど鳴なっている。