二十分後、ハーマイオニーはトレローニー先生の教室に登る梯子はしごのところに現れた。ひどく悩なやんでいる様子だった。
「『元気の出る呪じゅ文もん』の授業に出なかったなんて、私としたことが! きっと、これ、試験しけんに出るわよ。フリットウィック先生がそんなことをちらっとおっしゃったもの!」
三人は一いっ緒しょに梯子を上り、薄うす暗ぐらいムッとするような塔とう教きょう室しつに入った。小さなテーブルの一つひとつに真しん珠じゅ色の靄もやが詰つまった水すい晶しょう玉だまが置かれ、ぼーっと光っていた。ハリー、ロン、ハーマイオニーは、脚あしのぐらぐらしているテーブルに一緒に座った。
「水晶玉は来学期にならないと始まらないと思ってたけどな」
トレローニー先生がすぐそばに忍びよってきていないかどうか、あたりを警けい戒かいするように見回しながら、ロンがひそひそ言った。
「文句もんく言うなよ。これで手相術が終わったってことなんだから」ハリーもひそひそ言った。
「僕の手相を見るたびに、先生がぎくっと身を引くのには、もううんざりしてたんだ」
「みなさま、こんにちは!」
おなじみの霧きりのかなたの声とともに、トレローニー先生がいつものように薄暗がりの中から芝居しばいがかった登場をした。パーバティとラベンダーが興こう奮ふんして身震みぶるいした。二人の顔が、仄ほの明あかるい乳にゅう白はく色しょくの水晶玉の光に照らし出された。
「あたくし、計画しておりましたより少し早めに水すい晶しょう玉だまをお教えすることにしましたの」
トレローニー先生は暖炉だんろの火を背にして座り、あたりを凝ぎょう視しした。
「六月の試験しけんは球たまに関するものだと、運命があたくしに知らせましたの。それで、あたくし、みなさまに十分練習させてさし上げたくて」
ハーマイオニーがフンと鼻を鳴らした。
“你们好!”那熟悉的模糊声音说道,特里劳妮教授像通常一样从阴影里走了进来。帕瓦蒂和拉文德兴奋得发抖,水晶球乳白色的光芒照亮了她们的脸。