木の幹までは一気に近づいたが、二人が根元の隙間にたどり着く前に、クルックシャンクスが瓶びん洗あらいブラシのような尻尾しっぽを打ち振り、するりと先に滑すべり込こんだ。ハリーが続いた。頭から先に、這はって進み、狭い土のトンネルの傾けい斜しゃを、ハリーは底まで滑り降おりた。クルックシャンクスが少し先を歩いている。ハリーの杖つえ灯あかりに照らされ、目がランランと光っていた。すぐあとからハーマイオニーが滑り降りてきて、ハリーと並んだ。
「ロンはどこ?」ハーマイオニーが恐こわ々ごわ囁ささやいた。
「こっちだ」
ハリーはクルックシャンクスのあとを、背中を丸めてついていった。
「このトンネル、どこに続いているのかしら?」
後ろからハーマイオニーが息を切らして聞いた。
「わからない……『忍しのびの地ち図ず』には書いてあるんだけど、フレッドとジョージはこの道は誰も通ったことがないって言ってた。この道の先は地図の端はしからはみ出してる。でもどうもホグズミードに続いてるみたいなんだ……」
二人はほとんど体を二つ折おりにして、急ぎに急いだ。クルックシャンクスの尻尾が見え隠れした。通路は延えん々えんと続く。少なくとも、ハニーデュークス店に続く通路と同じくらい長く感じられた。ハリーはロンのことしか頭になかった。あの巨大な犬はロンに何かしてはいないだろうか……背を丸めて走りながら、ハリーの息いき遣づかいは荒く、苦しくなっていた。
トンネルがそこから上り坂になった。やがて道が捩ねじ曲がり、クルックシャンクスの姿が消えた。その代わりに、小さな穴から漏もれるぼんやりした明りがハリーの目に入った。
ハリーとハーマイオニーは小しょう休きゅう止しして息を整え、じりじりと前進した。二人とも向こうにあるものを見ようと杖をかまえた。
“罗恩在哪里?”她害怕地问道。