「私はシリウスの手引きはしていない」ルーピンが言った。
「わけを話させてくれれば、説明するよ。ほら――」
ルーピンは三本の杖つえを一本ずつ、ハリー、ロン、ハーマイオニーのそれぞれに放ほうり投げ、持ち主に返した。ハリーは、呆気あっけにとられて自分の杖を受け取った。
「ほーら」
ルーピンは自分の杖をベルトに挟はさみ込こんだ。
「君たちには武器がある。私たちは丸まる腰ごしだ。聞いてくれるかい?」
ハリーはどう考えていいやらわからなかった。罠わなだろうか?
「ブラックの手助けをしていなかったっていうなら、こいつがここにいるって、どうしてわかったんだ?」
ブラックのほうに激はげしい怒りの眼差まなざしを向けながら、ハリーが言った。
「地図だよ」ルーピンが答えた。「『忍しのびの地ち図ず』だ。事じ務む所しょで地図を調べていたんだ――」
「使い方を知ってるの?」ハリーが疑わしげに聞いた。
「もちろん、使い方は知っているよ」
ルーピンは先を急ぐように手を振った。
「私もこれを書いた一人だ。私はムーニーだよ。――学生時代、友人は私のことをそういう名で呼んだ」
「先生が、書いた――?」
「そんなことより、私は今日の夕方、地図をしっかり見み張はっていたんだ。というのも、君と、ロン、ハーマイオニーが城をこっそり抜け出して、ヒッポグリフの処しょ刑けいの前に、ハグリッドを訪たずねるのではないかと思ったからだ。思ったとおりだった。そうだね?」
ルーピンは三人を見ながら、部屋を往いったり来たりしはじめた。その足下で埃ほこりが小さな塊かたまりになって舞まった。
「君はお父さんの『透とう明めいマント』を着ていたかもしれないね、ハリー――」
「どうして『マント』のことを?」
「ジェームズがマントに隠れるのを何度見たことか……」
ルーピンはまた先を急ぐように手を振った。
“如果你没有一直在帮他,”他说,愤怒地瞥了布莱克一眼。“你怎么知道他在这里?”