「ピーターなんかじゃない。こいつはスキャバーズだ!」
叫さけびながら、ロンはネズミを胸ポケットに無む理りやり押し戻もどそうとした。しかし、スキャバーズは大暴れで逆さからった。ロンはよろめき、倒れそうになった。ハリーがロンを支え、ベッドに押し戻もどした。それから、ハリーはブラックを無む視しして、ルーピンに向かって言った。
「ペティグリューが死んだのを見届けた証しょう人にんがいるんだ。通りにいた人たちが大おお勢ぜい……」
「見てはいない。見たと思っただけだ」
ロンの手の中でジタバタしているスキャバーズから目を離はなさずに、ブラックが荒々しく言った。
「シリウスがピーターを殺したと、誰もがそう思った」ルーピンが頷うなずいた。
「私自身もそう信じていた――今夜地図を見るまではね。『忍しのびの地ち図ず』はけっして嘘うそはつかないから……ピーターは生きている。ロンがあいつを握にぎっているんだよ、ハリー」
ハリーはロンを見下ろした。二人の目が合い、無言で二人とも同じことを考えた。――ブラックとルーピンはどうかしている。言っていることはまったくナンセンスだ。スキャバーズがピーターであるはずがないだろう? やっぱり、ブラックはアズカバンで狂ったんだ。――しかし、なぜルーピンはブラックと調子を合わせてるんだろう?
ハーマイオニーが、震ふるえながら冷れい静せいを保とうと努力し、ルーピン先生にまともに話してほしいと願うかのように話した。
「でもルーピン先生……スキャバーズがペティグリューのはずがありません。……そんなこと、あるはずないんです。先生はそのことをご存知ぞんじのはずです……」
「どうしてかね?」
ルーピンは静かに言った。まるで授じゅ業ぎょう中ちゅうに、ハーマイオニーが水魔グリンデローの実験の問題点を指摘してきしたかのような言い方だった。
“他们没有看见他们以为他们看见的东西!”布莱克狂暴地说,仍旧盯着在罗恩手里挣扎不已的斑斑。