「それを思うと、いまでもぞっとする」
ルーピンの声は重苦しかった。
「あわや、ということがあった。何回もね。あとになってみんなで笑い話にしたものだ。若かったし、浅はかだった。――自分たちの才能に酔よっていたんだ」
「もちろん、ダンブルドアの信しん頼らいを裏切うらぎっているという罪ざい悪あく感かんを、私は時とき折おり感じていた。……ほかの校長ならけっして許さなかっただろうに、ダンブルドアは私がホグワーツに入学することを許可きょかした。私と周まわりの者の両方の安全のために、ダンブルドアが決めたルールを、私が破っているとは、夢にも思わなかっただろう。私のために、三人の学友を非ひ合ごう法ほうの『動物もどきアニメーガス』にしてしまったことを、ダンブルドアは知らなかった。しかし、みんなで翌よく月げつの冒ぼう険けんを計画するたびに、私は都合つごうよく罪の意識いしきを忘れた。そして、私はいまでもその時と変わっていない……」
ルーピンの顔が強こわばり、声には自じ己こ嫌けん悪おの響ひびきがあった。
「この一年というもの、私は、シリウスが『動物もどき』だとダンブルドアに告げるべきかどうか迷い、心の中でためらう自分と闘たたかってきた。しかし、告げはしなかった。なぜかって? それは、私が臆おく病びょう者ものだからだ。告げれば、学生時代に、ダンブルドアの信頼を裏切っていたと認めることになり、私がほかの者を引き込こんだと認めることになる。……ダンブルドアの信しん頼らいが私にとってはすべてだったのに。ダンブルドアは少年の私をホグワーツに入れてくださったし、大人おとなになっても、すべての社会から締しめ出され、正体が正体なのでまともな仕事にも就つけない私に、職しょく場ばを与えてくださった。だから、私はシリウスが学校に入り込むのに、ヴォルデモートから学んだ闇やみの魔ま術じゅつを使っているに違いないと思いたかったし、『動物もどきアニメーガス』であることは、それとは何のかかわりもないと自分に言い聞かせた。……だから、ある意味ではスネイプの言うことが正しかったわけだ」
「スネイプだって?」
ブラックが鋭するどく聞いた。初めてスキャバーズから目を離はなし、ルーピンを見上げた。
「スネイプが、何の関係がある?」
「シリウス、スネイプがここにいるんだ」ルーピンが重苦しく言った。
「あいつもここで教えているんだ」
ルーピンは、ハリー、ロン、ハーマイオニーを見た。
“这一年里,我一直在和自己斗争,拿不定主意要不要告诉邓布利多:小天狼星是阿尼马格斯。但是我没有说。为什么呢?因为我太怯懦。告诉他,就意味着我在学生时代曾经辜负他的信任,意味着承认我还曾带领他人和我在一起..而对于我来说。邓布利多的信任极其重要。我还是孩子的时候,他接受我入学,我成年以后到处碰壁,因为我是狼人而找不到有报酬的工作,他却给了我工作。这样,我就说服了自己,认为小天狼星是利用他从伏地魔那里学来的邪法混进学校的,他成为阿尼马格斯和这毫无关系..所以,在某种意义上,斯内普对我的看法一直是对的。”
“斯内普?”布莱克哑着嗓子说,几分钟以来第一次不看斑斑而看卢平,“斯内普和这件事有什么相干?”
“他在这里,小天狼星,”卢乎沉重地说,“他也在这里教课。”他抬头看了看哈利、罗恩和赫敏。