ハーマイオニーが悲鳴ひめいをあげた。ブラックはさっと立ち上がった。ハリーはまるで電気ショックを受けたように飛び上がった。
「『暴あばれ柳やなぎ』の根元でこれを見つけましてね」
スネイプが、杖つえをまっすぐルーピンの胸に突きつけたまま、「透とう明めいマント」を脇わきに投げ捨てた。
「ポッター、なかなか役に立ったよ。感謝する……」
スネイプは少し息切れしてはいたが、勝利の喜びを抑おさえきれない顔だった。
「我わが輩はいがどうしてここを知ったのか、諸しょ君くんは不思議に思っているだろうな?」
スネイプの目がギラリと光った。
「君の部屋に行ったよ、ルーピン。今夜、例の薬を飲むのを忘れたようだから、我輩がゴブレットに入れて持っていった。持っていったのは、まことに幸運だった……我輩にとってだがね。君の机に何やら地図があってね。一目見ただけで、我輩に必要なことはすべてわかった。君がこの通路を走っていき、姿を消すのを見たのだ」
「セブルス――」
ルーピンが何か言いかけたが、スネイプはかまわず続けた。
「我輩は校長に繰くり返し進しん言げんした。君が旧きゅう友ゆうのブラックを手引きして城に入れているとね。ルーピン、これがいい証しょう拠こだ。いけ図ずう々ずうしくもこの古巣ふるすを隠れ家に使うとは、さすがの我輩も夢にも思いつきませんでしたよ――」
「セブルス、君は誤解ごかいしている」
ルーピンが切せっ羽ぱ詰つまったように言った。
「君は、話を全部聞いていないんだ。――説明させてくれ。――シリウスはハリーを殺しにきたのではない――」
「今夜、また二人、アズカバン行きが出る」
スネイプの目がいまや狂きょう気きを帯びて光っていた。
「ダンブルドアがどう思うか、見物ですな……ダンブルドアは君が無害だと信じきっていた。わかるだろうね、ルーピン……飼かいならされた人じん狼ろうさん……」
「愚おろかな」ルーピンが静かに言った。
「学生時代の恨うらみで、無実の者をまたアズカバンに送り返すというのかね?」
“我在打人柳树根底下发现了它,”斯内普说,把隐形衣扔到一边,同时仍旧小心不让他的魔杖偏离卢平的胸膛,“很有用,波特。我谢谢你了..”
“你也许不明白我怎么会知道你在这里?”他说。眼睛发着光,“我刚刚到你的办公室去了,卢乎。你今晚忘记吃药了,所以我拿了一大杯过去。幸而我这样做..我意思是说,我走运。有张地图放在你的桌子上。看一眼,我就明白了我需要明白的一切。我看见你沿着这条过道走,然后就消失了。”