恐ろしい唸うなり声がした。ルーピンの頭が長く伸びた。体も伸びた。背中が盛もり上がった。顔といわず手といわず、見る見る毛が生はえだした。手は丸まって鉤かぎ爪づめが生えた。クルックシャンクスの毛が再び逆立さかだち、たじたじと後ずさりしていた――。
狼おおかみ人にん間げんが後ろ足で立ち上がり、バキバキと牙きばを打ち鳴らした時、シリウスの姿もハリーのそばから消えていた。変身したのだ。巨大な、クマのような犬が躍おどり出た。狼人間が自分を縛しばっていた手て錠じょうを捻ねじ切った時、犬が狼人間の首に食らいついて後ろに引き戻もどし、ロンやペティグリューから遠ざけた。二匹は、牙きばと牙とががっちりと噛かみ合い、鉤爪が互いを引き裂さき合っていた――。
ハリーはこの光景に立ちすくみ、その戦いに心を奪うばわれるあまり、他のことには何も気づかなかった。ハーマイオニーの悲鳴ひめいで、ハリーはハッと我われに返った――。
ペティグリューがルーピンの落とした杖つえに飛びついていた。包ほう帯たいをした足で不安定だったロンが転てん倒とうした。バンという音と、炸さく裂れつする光――そして、ロンは倒れたまま動かなくなった。またバンという音――クルックシャンクスが宙を飛び、地面に落ちてクシャッとなった。
「エクスペリアームス! 武器よ去れ!」
ペティグリューに杖を向け、ハリーが叫さけんだ。ルーピンの杖が空中に高々と舞まい上がり、見えなくなった。
「動くな!」
ハリーは前方に向かって走りながら叫んだ。
遅おそかった。ペティグリューはもう変身していた。だらりと伸びたロンの腕うでにかかっている手錠を、ぺティグリューの禿はげた尻尾しっぽがシュッとかいくぐるのを、ハリーは目もく撃げきした。草むらを慌あわてて走り去る音が聞こえた。
ひと声高く吠ほえる声と低く唸うなる声とが聞こえた。ハリーが振り返ると、狼人間が逃げ出すところだった。森に向かって疾駆しっくしていく。
「シリウス、あいつが逃げた。ペティグリューが変身した!」
ハリーが大声をあげた。
シリウスは血を流していた。鼻はな面づらと背に深手を負っていた。しかし、ハリーの言葉に、素早すばやく立ち上がり、足音を響ひびかせて校庭を走り去った。その足音もたちまち夜のしじまに消えていった。
ハリーとハーマイオニーは、ロンに駆かけよった。
「ぺティグリューはいったいロンに何をしたのかしら?」
ハーマイオニーが囁ささやくように言った。ロンは目を半眼はんめに見開き、口はだらりと開いていた。生きているのは確かだ。息をしているのが聞こえる。しかし、ロンは二人の顔がわからないようだった。
“除你武器!”哈利大叫,将他自己的魔杖指着小矮星彼得;卢平的魔杖高飞到空中不见了。
“待在那里不准动!”哈利大喊着向前跑去。太晚了。小矮星彼得变形了。哈利看见他的秃尾巴抽在罗恩伸出来的手臂上,听到草丛里一阵急跑。一声嗥叫又是一声咆哮,哈利转身看见狼人逃走了,它在往禁林里奔..
“小天狼星,他跑了.小矮星彼得变形了!”哈利大叫。大狗在流血,它的口鼻部位和背部都有伤口,但是听见哈利的话它又爬起身来,转瞬之间它也跑了,爪子落地的声音很快就听不见了。哈利和赫敏向罗恩冲过去。
“他对他做了什么?”赫敏低声道。罗恩的眼睛只闭了一半;他的嘴张开着。