「誰かに見られた?」
「ああ。話を聞いてなかったの? 僕ぼくが僕を見たよ。でも、僕は父さんだと思ったんだ! だから大だい丈じょう夫ぶ!」
「ハリー、私、信じられない。――あの吸魂鬼ディメンターを全部追い払うような守しゅ護ご霊れいを、あなたが創つくり出したなんて! それって、とっても、とっても高度な魔法なのよ……」
「僕、できるとわかってたんだ。だって、さっき一度出したわけだから……僕の言っていること、何か変かなあ?」
「よくわからないわ――ハリー、スネイプを見て!」
茂みの間から、二人は向こう岸をじっと見た。スネイプが意識いしきを取り戻もどした。担架たんかを作り、ぐったりしているハリー、ハーマイオニー、ブラックをそれぞれその上に載のせた。四つ目の担架には、当然ロンが載っているはずだが、すでにスネイプの脇わきに浮かんでいた。それから、スネイプは杖つえを前に突き出し、担架を城に向けて運びはじめた。
「さあ、そろそろ時間だわ」
ハーマイオニーは時計を見ながら緊きん張ちょうした声を出した。
「ダンブルドアが病びょう棟とうのドアに鍵をかけるまで、あと四十五分くらい。シリウスを救い出して、それから、私たちがいないことに誰かが気づかないうちに病室に戻っていなければ……」
二人は空行く雲が湖に映うつるさまを見ながら、ひたすら待った。周まわりの茂みが夜風よかぜにサヤサヤと囁ささやき、バックビークは退たい屈くつして、また虫ほじりを始めた。
“有人看见你了吗?”
“有啊,你不是一直在听着吗?我看见了我,但我以为是我爸爸!没事!”“哈利,我不能相信—— 你召唤了能够赶走所有那些摄魂怪的守护神!这是非常非常高级的魔法..”“我知道这次我能做到了,”哈利说,“因为我已经做过了..这样说有道理吗?”“我不知道—— 哈利,看斯内普!”.他们一起从灌木丛往对岸窥探。斯内普恢复了知觉。他在召唤担架,把哈利、赫敏和布莱克等没有生气的躯体放到担架上去。第四个担架上肯定是罗恩,它已经在斯内普身旁浮动着了。然后,他把魔杖举在面前,把这一批人搬到城堡中去了。
“对,时间差不多了。”赫敏看着表紧张地说,“在邓布利多锁上校医院病房门以前,我们还有四十五分钟。我们一定要在任何人发现我们失踪以前救出小天狼星并且回到病房..”
他们等待着,看着湖中映出的浮云,此时他们旁边的灌木丛在微风中低语。巴克比克感到厌烦,又在找虫子了。