ハリーとハーマイオニーは病室に戻もどった。ロン以外は誰もいない。ロンは一番端のベッドでまだ身動きもせず横たわっている。背後でカチャッと鍵が掛かる音がした時には、二人はベッドに潜もぐり込み、ハーマイオニーは「逆転時計タイムターナー」をローブの下にしまい込んでいた。次の瞬しゅん間かん、マダム・ポンフリーが事じ務む室しつから出てきて、つかつかとこちらにやってきた。
「校長先生がお帰りになったような音がしましたけど? これで、わたくしの患かん者じゃさんの面めん倒どうを見させていただけるんでしょうね?」
ひどくご機き嫌げん斜ななめだった。ハリーとハーマイオニーは、さし出されるチョコレートを黙だまって食べたほうがよさそうだと思った。マダム・ポンフリーは二人を見下ろすように立ちはだかり、二人が食べるのを確かめていた。しかし、チョコはほとんどハリーの喉のどを通らなかった。ハリーもハーマイオニーも、神しん経けいをピリピリさせ、耳をそばだてて、じっと待っていたのだ。すると、二人がマダム・ポンフリーのさし出す四個目のチョコレートを受け取ったちょうどその時、遠くで怒り狂う唸うなり声が、どこか上のほうからこだまのように聞こえてきた。
「何かしら?」マダム・ポンフリーが驚いて言った。
怒声どせいが聞こえた。だんだん大きくなってくる。マダム・ポンフリーがドアを見つめた。
「まったく――全員を起こすつもりなんですかね! いったい何のつもりでしょう?」
ハリーは何を言っているのか聞き取ろうとした。声の主たちが近づいてくる――。
「きっと『姿すがたくらまし』を使ったのだろう、セブルス。誰か一いっ緒しょに部屋に残しておくべきだった。こんなことが漏もれたら――」
「ヤツは断じて『姿くらまし』をしたのではない!」
スネイプが吠ほえている。いまやすぐそこまで来ている。
「この城の中では『姿くらまし』も『姿現し』もできないのだ! これは――断じて――何か――ポッターが――絡からんでいる!」
「セブルス――落ち着け――ハリーは閉じ込こめられている――」
バーン。
病室のドアが猛もう烈れつな勢いで開いた。
“怎么回事?”庞弗雷夫人惊慌地问遭。现在他们能听到恼怒的说话声了,越来越响。庞弗雷夫人瞪眼看着门。“真的—— 他们会吵醒所有人的!他们以为自己在干什么啊?”
哈利想听清这些声音在说什么。他们走近了些..
“他一定是变形走了,西弗勒斯,我们应该在房间里留人看着他!这种逃走..”
“他没有变形!”斯内普吼道,声音很近了,“在城堡里面,谁也不能变形或者复原的!这件事—— 和—— 波特—— 有—— 关系!”