観客席への階段は深ふか紫むらさき色の絨毯じゅうたんが敷しかれていた。一いっ行こうは大勢に混まじって階段を上った。途中、観客が少しずつ、右や左のドアからそれぞれのスタンド席へと消えていった。ウィーズリー一行は上り続け、いよいよ階段のてっぺんにたどり着いた。そこは小さなボックス席で、観客席の最上階、しかも両サイドにある金こん色じきのゴールポストのちょうど中間に位置していた。紫に金きん箔ぱくの椅子が二十席ほど、二列に並んでいる。ハリーはウィーズリー家のみんなと一いっ緒しょに前列に並んだ。そこから見下ろすと、想像さえしたことのない光景が広がっていた。
十万人の魔法使いたちが着席したスタンドは、細長い楕だ円えん形けいのピッチに沿って階段状にせり上がっている。競技場そのものから発すると思われる神しん秘ぴ的てきな金色の光が、あたりにみなぎっていた。高みから見ると、ピッチはビロードのように滑なめらかに見えた。両サイドに三本ずつ、十五メートルの高さのゴールポストが立っている。貴賓席の真正面、ちょうどハリーの目の位置に、巨大な黒板があった。見えない巨人の手が書いたり消したりしているかのように、金文字が黒板の上をサッと走ってはサッと消えた。しばらく眺ながめていると、それがピッチの右端はしから左端までの幅はばで点てん滅めつする広こう告こく塔とうだとわかった。
ブルーボトル――ご家族全員にぴったりの箒ほうき――安全で信頼できて、しかも防犯ブザーつき……
ミセス・ゴシゴシの魔ま法ほう万ばん能のう汚よごれ落とし――手間知らず、汚れ知らず……
グラドラグス・魔法ファッション――ロンドン・パリ・ホグズミード……