観衆が叫さけび、拍手した。何千という国旗が打ち振られ、互いにハモらない両国の国歌が騒音をさらに盛もり上げた。貴賓席正面の巨大黒板が、最後の広告をサッと消し(バーティー・ボッツの「百ひゃく味みビーンズ」――一口ごとに危ない味!)、いまや、こう書いてあった。
ブルガリア 0 アイルランド 0
「さて、前置きはこれくらいにして、早さっ速そくご紹介しょうかいしましょう……ブルガリア・ナショナルチームのマスコット!」
深しん紅く一色のスタンドの上かみ手てから、ワッと歓かん声せいが上がった。
「いったい何を連れてきたのかな?」
ウィーズリーおじさんが席から身を乗り出した。
「あーっ!」おじさんは急にメガネをはずし、慌あわててローブで拭ふいた。「ヴィーラだ!」
「なんですか、ヴィー――?」
百人のヴィーラがするするとピッチに現れ、ハリーの質問に答えを出してくれた。ヴィーラは女性だった……ハリーがこれまでに見たこともないほど美しい……ただ、人間ではなかった――人間であるはずがない。それじゃ、いったい何だろう、とハリーは一瞬いっしゅん考え込んだ。どうしてあんなに月の光のように輝かがやく肌はだで、風もないのにどうやってシルバー・ブロンドの髪かみをなびかせて……。しかし、音楽が始まると、ハリーはヴィーラが人間だろうとなかろうと、どうでもよくなった――そればかりか、何もかもどうでもよくなった。
观众们爆发出一阵欢呼和掌声。几千面旗帜同时挥舞,还伴随着乱七八糟的国歌声,场面真是热闹非凡。他们对面的黑板上,最后那行广告(比比多味豆——每一口都是一次冒险的经历!)被抹去了,现在显示的是:保加利亚:0,爱尔兰:0。
“好了,闲话少说,请允许我介绍……保加利亚国家队的吉祥物!”
看台的右侧是一片整齐的鲜红色方阵,此刻爆发出响亮的欢呼声。
“不知道他们带来了什么。”韦斯莱先生说,从座位上探出身子。“啊!”他猛地摘下眼镜,在袍子上匆匆地擦着,“媚娃!”
“什么是媚——”
只见一百个媚娃已经滑向了赛场,哈利的疑问得到了解答。媚娃是女人……是哈利有生以来见过的最漂亮的女人……不过她们不是——不可能是——真人。哈利困惑了片刻,猜不出她们到底是什么:她们的皮肤为什么像月亮一般泛着皎洁的柔光,她们的头发为什么没有风也在脑后飘扬……就在这时,音乐响了起来,哈利不再考虑她是不是真人了——实际上,他什么也无法考虑了。