ヴィーラが踊おどりはじめると、ハリーはすっかり心を奪うばわれ、頭は空っぽで、ただ幸せだった。この世で大切なのは、ただヴィーラを見つめ続けていることだけだった。ヴィーラが踊りをやめれば、恐ろしいことが起こりそうな気がする……。
ヴィーラの踊りがどんどん速くなると、ぼーっとなったハリーの頭の中で、まとまりのない、何か激はげしい感情が駆かけ巡りはじめた。何か派は手でなことをしたい。いますぐ。ボックス席からピッチに飛び降りるのもいいかもしれない……でも、それで十分目立つだろうか?
「ハリー、あなたいったい何してるの?」遠くのほうでハーマイオニーの声がした。
音楽がやんだ。ハリーは目を瞬しばたたいた。ハリーは椅子から立ち上がって、片足をボックス席の前の壁かべにかけていた。隣となりでロンが、飛び込み台からまさに飛び込まんばかりの格かっ好こうで固まっていた。
スタジアム中に怒ど号ごうが飛んでいた。群衆ぐんしゅうは、ヴィーラの退場たいじょうを望まなかった。ハリーも同じだった。もちろん僕はブルガリアを応おう援えんするはずなのに、どうしてアイルランドのシャムロック―三つ葉のクローバー―なんかを胸に刺さしているんだろう。ハリーはぼんやりとそう思った。一方ロンも、無意識に自分の帽ぼう子しのシャムロックをむしっていた。ウィーズリーおじさんが苦笑しながらロンのほうに身を乗り出して、帽子をひったくった。
「きっとこの帽子が必要になるよ。アイルランド側のショーが終わったらね」
おじさんが言った。
「はぁー?」
ロンは口を開けてヴィーラに見入っていた。ヴィーラはいまはもう、ピッチの片側に整列していた。
媚娃开始跳舞,哈利的脑子变得一片空白,只感到一种极度的喜悦。世界上的一切都不重要了,只要他能一直看着媚娃就行,因为如果她们停止跳舞,就会发生可怕的事……
随着媚娃的舞姿越来越快,一些疯狂的、不成形的念头开始在哈利晕晕乎乎的脑海里飞旋。他想做一件特别是了不起的事情,现在就做。从包厢跳进体育馆怎么样?看来不错……可是够不够精彩呢?
“哈利,你在做什么?”从遥远的地方传来赫敏的声音。
音乐停止了。哈利茫然地眨了眨眼睛。他站在那里,一条腿架在包厢的墙上。在他旁边,罗恩做出似乎要从跳板上跳水的姿势,呆在那里一动不动。
体育馆里充满了愤怒的吼叫。人们不愿意媚娃离开。哈利的想法也和他们一样。他当然要支持保加利亚队,他隐隐地纳闷自己胸前为什么戴着一棵大大的绿色三叶草。与此同时,罗恩正在精神恍惚地撕掉他帽子上的三叶草。韦斯莱先生微笑着探过身来,把帽子从罗恩手里夺了过去。
“待会儿等到爱尔兰队的表演结束后,”韦斯莱先生说,“你就会需要它了。”
“嗯?”罗恩哼了一志,张口结舌地盯着那些媚娃,这时她们已经列队站在赛场一侧。