ロンとハーマイオニーが杖を高く掲かかげ、細い光の先が地面に広がるようにした。ハリーはそのあたりを隈くまなく探したが、杖はどこにも見当たらなかった。
「テントに置き忘れたかも」とロン。
「走ってるときにポケットから落ちたのかもしれないわ」ハーマイオニーが心配そうに言った。
「ああ。そうかもしれない……」とハリー。
魔ま法ほう界かいにいるときは、ハリーはいつも肌はだ身み離さず杖を持っている。こんな状況の真っただ中で杖なしでいるのは、とても無む防ぼう備びに思えた。
ガサガサッと音がして、三人は跳とび上がった。屋や敷しきしもべ妖よう精せいのウィンキーが近くの潅かん木ぼくの茂みから抜け出そうともがいていた。動き方が奇妙キテレツで、見るからに動きにくそうだ。まるで、見えない誰かが後ろから引き止めているようだった。
「悪い魔法使いたちがいる!」
前のめりになって懸けん命めいに走り続けようとしながら、ウィンキーはキーキー声で口走った。
「人が高く――空に高く! ウィンキーは退どくのです!」
そしてウィンキーは、自分を引き止めている力に抵てい抗こうしながら、息を切らし、キーキー声を上げて、小道の向こう側の木立へと消えていった。
「いったいどうなってるの?」ロンは、ウィンキーの後ろ姿を訝いぶかしげに目で追った。
「どうしてまともに走れないんだろ?」
「きっと、隠れてもいいっていう許可を取ってないんだよ」ハリーが言った。
ドビーのことを思い出していたのだ。マルフォイ一家の気に入らないかもしれないことをするとき、ドビーはいつも自分をいやというほど殴なぐった。
罗恩和赫敏把他们的魔杖高高举起,让细长的光柱照亮更多的地方。哈利在周围找了又找,可是怎么也找不到他的魔杖。
“也许落在帐篷里了。”罗恩说。
“会不会是刚才奔跑的时候,从你口袋里掉出来了?”赫敏焦急地问道。
“是啊,”哈利说,“很可能……”
在魔法世界里,他总是把魔杖随时带在身上,此刻,在这样的情景下发现魔杖不见了,他感到自己很软弱无助。
突然,旁边传来一阵沙沙声,三个人都吓了一跳。家养小精灵闪闪正奋力从灌木丛中钻出来。她的动作非常古怪,似乎特别费劲,就好像有一个看不见的人正在把她拉回去。
“到处都是坏巫师!”她一边探着身子拼命要往前跑,一边慌慌张张地尖叫道,“人在高高的——高高的上面!闪闪要逃走!”
她喘息,尖叫,与那股束缚她的力量博斗着,钻进了小路另一边的树丛里。
“她是怎么回事?”罗恩好奇地望着闪闪的背影,“她为什么不能好好跑步?”
“我猜她没有征得主人同意就擅自躲避了。”哈利说。他想起了多比:每当多比想做什么马尔福一家不喜欢的事情时,身为家养小精灵的他就不得不把自己痛打一顿。