「おそらく、エイモスが言いたいのは」クラウチ氏が一言一言に冷たい怒りを込めて言った。「私が召めし使つかいたちに常つね日ひ頃ごろから『闇やみの印しるし』の創つくり出し方を訓お練しえていたとでも?」
ひどく気まずい沈ちん黙もくが流れた。
「クラウチさん……そ……そんなつもりはまったく……」エイモス・ディゴリーが蒼そう白はくな顔で言った。
「いまや君は、この空地の全員の中でも、最もあの印を創り出しそうにない二人に嫌けん疑ぎをかけようとしている!」クラウチ氏が噛かみつくように言った。
「ハリー・ポッター――それにこの私だ! この子の身の上は君も重じゅう々じゅう承しょう知ちなのだろうな、エイモス?」
「もちろんだとも――みんなが知っている――」ディゴリー氏はひどくうろたえて、口ごもった。
「その上、『闇やみの魔ま術じゅつ』も、それを行う者をも、私がどんなに侮ぶ蔑べつし、嫌けん悪おしてきたか、長いキャリアの中で私の残してきた証あかしを、君はまさか忘れたわけではあるまい?」クラウチ氏は再び目をむいて叫さけんだ。
「クラウチさん、わ――わたしはあなたがこれにかかわりがあるなどとは一言も言ってはいない!」エイモス・ディゴリーは茶色のゴワゴワ鬚ひげに隠れた顔を赤らめ、また口ごもった。
「ディゴリー! 私のしもべを咎とがめるのは、私を咎めることだ!」クラウチ氏が叫んだ。
「他にどこで、このしもべが印しるしの創そう出しゅつ法ほうを身につけるというのだ?」
「ど――どこででも修得しゅうとくできただろうと――」ディゴリーが言った。
「エイモス、そのとおりだ」ウィーズリーおじさんが口を挟はさんだ。
「どこででも『拾得』できただろう……ウィンキー?」