ビルは腕にシーツを巻きつけて、小さなテーブルの前に座っていた。腕からかなり出血している。チャーリーのシャツは大きく裂さけ、パーシーは鼻血を流していた。フレッド、ジョージ、ジニーに怪け我がはないようだったが、ショック状態だった。
「捕まえたのかい、父さん?」ビルが鋭するどい語ご調ちょうで聞いた。「あの印を創ったヤツを?」
「いや。バーティ・クラウチのしもべ妖よう精せいがハリーの杖つえを持っているのを見つけたが、あの印を実際に創り出したのが誰かは、皆かい目もくわからない」
「えーっ?」ビル、チャーリー、パーシーが同時に叫さけんだ。
「ハリーの杖?」フレッドが言った。
「クラウチさんのしもべ?」パーシーは雷に打たれたような声を出した。
ハリー、ロン、ハーマイオニーに話を補おぎなってもらいながら、ウィーズリーおじさんは森の中の一部始し終じゅうを話して聞かせた。四人が話し終わると、パーシーは憤ふん然ぜんと反そり返った。
「そりゃ、そんなしもべをお払い箱にしたのは、まったくクラウチさんが正しい!」
パーシーが言った。
「逃げるなとはっきり命令されたのに逃げ出すなんて……魔ま法ほう省しょう全員の前でクラウチさんに恥をかかせるなんて……ウィンキーが『魔ま法ほう生せい物ぶつ規き制せい管かん理り部ぶ』に引っ張られたら、どんなに体てい裁さいが悪いか――」
「ウィンキーは何にもしてないわ――間まの悪いときに間まの悪い所に居い合あわせただけよ!」
ハーマイオニーがパーシーに噛かみついた。パーシーは不意を食らったようだった。ハーマイオニーはたいていパーシーとはうまくいっていた――ほかの誰よりずっと馬が合っていたと言える。
「ハーマイオニー。クラウチさんのような立場にある方かたは、杖つえを持ってむちゃくちゃをやるような屋や敷しきしもべを置いておくことはできないんだ!」
気を取り直したパーシーがもったいぶって言った。
「むちゃくちゃなんかしてないわ!」ハーマイオニーが叫さけんだ。「あの子は落ちていた杖を拾っただけよ!」