「『死喰い人デス・イーター』?」ハリーが聞きとがめた。「『死し喰くい人びと』って?」
「『例のあの人』の支持者が、自分たちをそう呼んだんだ」ビルが答えた。「今夜僕たちが見たのは、その残ざん党とうだと思うね――少なくとも、アズカバン行きを何とか逃のがれた連中さ」
「そうだという証しょう拠こはない、ビル」ウィーズリーおじさんが言った。
「その可能性は強いがね」おじさんの声は絶望的だった。
「うん、絶対そうだ!」ロンが急に口を挟はさんだ。
「パパ、僕たち、森の中でドラコ・マルフォイに出会ったんだ。そしたら、あいつ、父親があの狂った仮面の群れの中にいるって認めたも同然の言い方をしたんだ! それに、マルフォイ一家が『例のあの人』の腹ふく心しんだったって、僕たちみんなが知ってる!」
「でも、ヴォルデモートの支持者って――」
ハリーがそう言いかけると、みんながギクリとした――魔ま法ほう界かいではみんなそうだが、ウィーズリー一家もヴォルデモートを直接名前で呼ぶことを避さけていた。
「ごめんなさい」ハリーは急いで謝あやまった。「『例のあの人』の支持者は、何が目的でマグルを宙に浮かせてたんだろう? つまり、そんなことをして何になるのかなあ?」
「何になるかって?」ウィーズリーおじさんが、乾かわいた笑い声を上げた。
「ハリー、連中にとってはそれがおもしろいんだよ。『例のあの人』が支配していたあの時期には、マグル殺しの半分はお楽しみのためだった。今夜は酒の勢いで、まだこんなにたくさん捕まってないのがいるんだぞ、と誇こ示じしたくてたまらなくなったのだろう。連中にとっては、ちょっとした同どう窓そう会かい気分だ」
おじさんは最後の言葉に嫌けん悪お感かんを込めた。