「僕、みんなが考えてるより早く、また会えるかもしれないよ」
チャーリーがジニーを抱き締めて、さよならを言いながらニッコリした。
「どうして?」フレッドが突っ込んだ。
「いまにわかるよ」チャーリーが言った。「僕がそう言ったってこと、パーシーには内ない緒しょだぜ……なにしろ、『魔ま法ほう省しょうが解かい禁きんするまでは機き密みつ情報じょうほう』なんだから」
「ああ、僕も何だか、今年はホグワーツに戻りたい気分だ」ビルはポケットに両手を突っ込み、羨うらやましそうな目で汽車を見た。
「どうしてさ?」ジョージが知りたくてたまらなさそうだ。
「今年はおもしろくなるぞ」ビルが目をキラキラさせた。「いっそ休きゅう暇かでも取って、僕もちょっと見物に行くか……」
「だから何をなんだよ?」ロンが聞いた。
しかしそのとき汽き笛てきが鳴り、ウィーズリーおばさんがみんなを汽車のデッキへと追い立てた。
「ウィーズリーおばさん、泊めてくださってありがとうございました」みんなで汽車に乗り込み、ドアを閉め、窓から身を乗り出しながら、ハーマイオニーが言った。
「ほんとに、おばさん、いろいろありがとうございました」ハリーも言った。
「あら、こちらこそ、楽しかったわ」ウィーズリーおばさんが言った。「クリスマスにもお招まねきしたいけど、でも……ま、きっとみんな、ホグワーツに残りたいと思うでしょう。なにしろ……いろいろあるから」
「ママ!」ロンがイライラした。「三人とも知ってて、僕たちが知らないことって、何なの?」
「今晩わかるわ。たぶん」おばさんが微笑ほほえんだ。「とってもおもしろくなるわ――それに、規則が変わって、ほんとうによかったわ――」
「何の規則?」ハリー、ロン、フレッド、ジョージがいっせいに聞いた。
「ダンブルドア先生がきっと話してくださいます……さあ、お行ぎょう儀ぎよくするのよ。ね? わかったの? フレッド? ジョージ、あなたもよ」
ピストンが大きくシューッという音を立て、汽車が動きはじめた。