「ミスター・ウィーズリー、わしは決して冗談など言っておらんよ」ダンブルドアが言った。「とは言え、せっかく冗談の話が出たからには、実は、夏休みにすばらしい冗談を一つ聞いてのう。トロールと鬼おに婆ばばとレプラコーンが一いっ緒しょに飲み屋に入ってな――」
マクゴナガル先生が大きな咳払いをした。
「フム――しかしいまその話をするときでは……ないようじゃの……」ダンブルドアが言った。
「どこまで話したかのう? おお、そうじゃ。三さん大だい魔ま法ほう学がっ校こう対たい抗こう試じ合あいじゃった……さて、この試合がいかなるものか、知らない諸しょ君くんもおろう。そこで、とっくに知っている諸君にはお許しを願って、簡単に説明するでの。その間、知っている諸君は自由勝手に他のことを考えていてよろしい」
「三大魔法学校対抗試合はおよそ七百年前、ヨーロッパの三大魔法学校の親しん善ぜん試じ合あいとして始まったものじゃ――ホグワーツ、ボーバトン、ダームストラングの三校でのう。各校から代表選手チャンピオンが一人ずつ選ばれ、三人が三つの魔法競きょう技ぎを争った。五年ごとに三校が持ち回りで競技を主しゅ催さいしてのう。若い魔法使い、魔女たちが国を越えての絆きずなを築くには、これが最も優れた方法だと、衆目しゅうもくの一致するところじゃった――おびただしい数の死者が出るにいたって、競技そのものが中止されるまではの」
「おびただしい死者?」ハーマイオニーが目を見開いて呟つぶやいた。
しかし、大おお広ひろ間まの大半の学生は、ハーマイオニーの心配などどこ吹く風で、興こう奮ふんして囁ささやき合っていた。ハリーも、何百年前に誰かが死んだことを心配するより、試合のことがもっと聞きたかった。