「何世紀にもわたって、この試合の再開に関しては幾いく度ども試みられたのじゃが」ダンブルドアの話は続いた。「そのどれも、成功しなかったのじゃ。しかしながら、我が国の『国こく際さい魔ま法ほう協きょう力りょく部ぶ』と『魔法ゲーム・スポーツ部』とが、いまこそ再開のときは熟じゅくせりと判断した。今回は、選手の一人たりとも死の危険にさらされぬようにするために、我々はこのひと夏かけて一いち意い専せん心しん取り組んだのじゃ」
「ボーバトンとダームストラングの校長が、代表選手の最さい終しゅう候こう補ほ生せいを連れて十月に来校し、ハロウィーンの日に学校代表選手三人の選考が行われる。優ゆう勝しょう杯はい、学校の栄えい誉よ、そして選手個人に与えられる賞金一千ガリオンを賭かけて戦うのに、誰が最も相応ふさわしいかを、公こう明めい正せい大だいなる審しん査さ員いんが決めるのじゃ」
「立りっ候こう補ほするぞ!」フレッド・ウィーズリーがテーブルの向こうで唇くちびるをキッと結び、栄光と富とを手にする期待に熱く燃え、顔を輝かがやかせていた。
ホグワーツの代表選手になる姿を思い描いたのはフレッドだけではなかった。どの寮りょうのテーブルでも、うっとりとダンブルドアを見つめる者や、隣となりの学生と熱っぽく語り合う光景がハリーの目に入った。しかしそのとき、ダンブルドアが再び口を開き、大広間はまた静まり返った。
「すべての諸しょ君くんが、優勝杯をホグワーツ校にもたらそうという熱意に満ちておると承しょう知ちしておる。しかし、参加三校の校長、ならびに魔ま法ほう省しょうとしては、今年の選手に年ねん齢れい制せい限げんを設もうけることで合意した。ある一定年齢に達した生徒だけが――つまり、十七歳以上じゃが――代表候補として名乗りを上げることを許される。このことは」――ダンブルドアは少し声を大きくした。ダンブルドアの言葉で怒り出した何人かの生徒が、ガヤガヤ騒ぎ出したからだ。ウィーズリーの双ふた子ごは急に険けわしい表情になった――「このことは、我々がいかに予よ防ぼう措そ置ちを取ろうとも、やはり試合の種目が難しく危険であることから、必要な措そ置ちであると、判断したがためなのじゃ。六年生、七年生より年少の者が課題をこなせるとは考えにくい。年少の者がホグワーツの代表選手になろうとして、公明正大なる選考の審しん査さ員いんを出し抜いたりせぬよう、わし自みずから目を光らせることとする」
ダンブルドアの明るいブルーの目が、フレッドとジョージの反はん抗こう的てきな顔をちらりと見て、悪戯いたずらっぽく光った。
「じゃから、十七歳に満たない者は、名前を審査員に提出したりして時間のむだをせんように、よくよく願っておこう」