嵐は、翌よく朝あさまでには治まっていた。しかし、大おお広ひろ間まの天井はまだどんよりしていた。ハリー、ロン、ハーマイオニーが朝食の席で時間割を確かめているときも、天井には鉛色の重苦しい雲が渦うず巻まいていた。三人から少し離れた席で、フレッド、ジョージとリー・ジョーダンが、どんな魔法を使えば歳をとり、首しゅ尾びよく三さん校こう対たい抗こう試じ合あいに潜り込めるかを討とう議ぎしていた。
「今日はまあまあだな……午前中はずっと戸こ外がい授じゅ業ぎょうだ」ロンは時間割の月曜日の欄らんを上から下へと指でなぞりながら言った。「『薬やく草そう学がく』はハッフルパフと合同授業。『魔ま法ほう生せい物ぶつ飼し育いく学がく』は……クソ、またスリザリンと一いっ緒しょだ……」
「午後に、『占うらない学がく』が二時限続きだ」時間割の下のほうを見てハリーが呻うめいた。
「占い学」はハリーのいちばん嫌いな科目だ――「魔ま法ほう薬やく学がく」を別にすればの話だが。「占い学」のトレローニー先生が、しつこくハリーの死を予言するのが、嫌いやでたまらなかった。
「あなたも、『占い学』をやめればよかったのよ。私みたいに」
トーストにバターを塗ぬりながら、ハーマイオニーが威い勢せいよく言った。
「そしたら、『数占い』のように、もっときちんとした科目が取れるのに」
「おーや、また食べるようになったじゃないか」
ハーマイオニーがトーストにたっぷりジャムをつけるのを見て、ロンが言った。
「しもべ妖よう精せいの権利を主張するのには、もっといい方法があるってわかったのよ」
ハーマイオニーは誇ほこり高く言い放った。
「そうかい……それに、腹も減ってたしな」ロンがニヤッとした。
第13章 疯眼汉穆迪