「僕はやらない」ドラコ・マルフォイがぴしゃりと言った。「こんな汚らしいもの、授業だけでたくさんだ。お断ことわりだ」
ハグリッドの顔から笑いが消し飛んだ。
「言われたとおりにしろ」ハグリッドが唸うなった。
「じゃねえと、ムーディ先生のしなさったことを、俺おれもやるぞ……おまえさん、なかなかいいケナガイタチになるっていうでねえか、マルフォイ」
グリフィンドール生が大爆笑した。マルフォイは怒りで真っ赤になったが、ムーディに仕置きされたときの痛みをまだ十分覚えているらしく、口くち応ごたえしなかった。ハリー、ロン、ハーマイオニーは、授業のあと、意い気き揚よう々ようと城に帰った。昨年、マルフォイがハグリッドをクビにしようとしてあの手この手を使ったことを思うと、ハグリッドがマルフォイをやり込めたことで、ことさらいい気分になった。
玄げん関かんホールに着くと、それ以上先に進めなくなった。大だい理り石せきの階段の下に立てられた掲けい示じ板ばんの周りに、大勢の生徒が群れをなして右う往おう左さ往おうしていた。三人の中でいちばんのっぽのロンが爪つま先さき立ちして、前の生徒の頭越しに、二人に掲示を読んで聞かせた。
三大魔法学校トライウィザード・対抗試合トーナメント
ボーバトンとダームストラングの代表団が十月三十日、金曜日、午後六時に到着とうちゃくする。授業は三十分早く終了し――
「いいぞ!」ハリーが声を上げた。「金曜の最後の授業は、『魔ま法ほう薬やく学がく』だ。スネイプは、僕たち全員に毒を飲ませたりする時間がない!」
全校生徒はカバンと教科書を寮りょうに置き、「歓迎会」の前に城の前に集合し、お客様を出迎えること。