グリッドの小屋は一部屋しかなく、その一角に、パッチワークのカバーをかけた巨大なベッドが置いてある。暖だん炉ろの前には、これも同じく巨大な木のテーブルと椅子があり、その上の天井から、燻くん製せいハムや鳥の死し骸がいがたくさんぶら下がっていた。
ハグリッドが茶の準備を始めたので、三人はテーブルに着き、すぐにまた三さん校こう対たい抗こう試じ合あいの話題に夢中になった。ハグリッドも同じように興こう奮ふんしているようだった。
「見ちょれ」ハグリッドがニコニコした。「待っちょれよ。見たこともねえもンが見られるぞ。いっち(一)番目の課題は……おっと、言っちゃいけねえんだ」
「言ってよ! ハグリッド!」ハリー、ロン、ハーマイオニーが促うながしたが、ハグリッドは笑って首を横に振るばかりだった。
「おまえさんたちの楽しみを台だい無なしにはしたくねえ」ハグリッドが言った。「だがな、すごいぞ。それだけは言っとく。代表選手はな、課題をやり遂とげるのは大変だぞ。生きてるうちに三校対抗試合の復ふっ活かつを見られるとは、思わんかったぞ!」
結局三人は、ハグリッドと昼食を食べたが、あまりたくさんは食べなかった――ハグリッドはビーフシチューだと言って出したが、ハーマイオニーが中から大きな鉤かぎ爪づめを発見してしまったあとは、三人ともがっくりと食欲が落ちてしまったのだ。それでも、試合の種目が何なのか、あの手この手でハグリッドに言わせようとしたり、立りっ候こう補ほ者しゃの中で代表選手に選ばれるのは誰だろうと推すい測そくしたり、フレッドとジョージの鬚ひげはもう取れただろうかなどと話したりして、三人は楽しく過ごした。