ハロウィーン・パーティはいつもより長く感じられた。二日続けての宴えん会かいだったせいかもしれないが、ハリーも、準備された豪ごう華かな食事に、いつもほど心を奪うばわれなかった。大広間の誰もかれもが、首を伸ばし、待ちきれないという顔をし、「ダンブルドアはまだ食べ終わらないのか」とそわそわしたり、立ち上がったりしている。ハリーもみんなと同じ気持で、早く皿の中身が片づけられて、誰が代表選手に選ばれたのか聞けるといいのにと思っていた。
ついに、金の皿がきれいさっぱりと元のまっさらな状態になり、大広間のガヤガヤが急に大きくなったが、ダンブルドアが立ち上がると一瞬いっしゅんにして静まり返った。ダンブルドアの両脇りょうわきに座っているカルカロフ校長とマダム・マクシームも、みんなと同じように緊張きんちょうと期待感に満ちた顔だった。ルード・バグマンは、生徒の誰にということもなく、笑いかけ、ウィンクしている。しかし、クラウチ氏は、まったく無関心で、ほとんどうんざりした表情だった。
「さて、ゴブレットは、ほぼ決定したようじゃ」ダンブルドアが言った。「わしの見込みでは、あと一分ほどじゃの。さて、代表選手の名前が呼ばれたら、その者たちは、大広間のいちばん前に来るがよい。そして、教職員テーブルに沿って進み、隣となりの部屋に入るよう――」ダンブルドアは教職員テーブルの後ろの扉を示した。「――そこで、最初の指示が与えられるであろう」
ダンブルドアは杖つえを取り、大きく一ひと振ふりした。とたんに、くり抜きかぼちゃを残して、あとの蝋ろう燭そくがすべて消え、部屋はほとんど真っ暗になった。「炎ほのおのゴブレット」は、いまや大おお広ひろ間まの中でひときわ明あか々あかと輝かがやき、キラキラした青白い炎が目に痛いほどだった。すべての目が見つめ、待った……何人かが、ちらちら腕時計を見ている……。