リータ・スキーターから離れられるのがうれしくて、ハリーは急いで元の部屋に戻った。ほかの代表選手はもうドア近くの椅子に腰かけていた。ハリーは急いでセドリックの隣となりに座り、ビロードカバーのかかった机のほうを見た。そこにはもう、五人中四人の審しん査さ員いんが座っていた――カルカロフ校長、マダム・マクシーム、クラウチ氏、ルード・バグマンだ。リータ・スキーターは、隅すみのほうに陣じん取どった。ハリーが見ていると、女史はまたバッグから羊皮紙をするりと取り出して膝ひざの上に広げ、自じ動どう速そっ記き羽は根ねペンQQQの先を吸い、再び羊皮紙の上にそれを置いた。
「オリバンダーさんをご紹介しょうかいしましょうかの?」ダンブルドアも審査員席に着き、代表選手に話しかけた。「試合に先立ち、皆の杖がよい状態かどうかを調べ、確認してくださるのじゃ」
ハリーは部屋を見回し、窓まど際ぎわにひっそりと立っている、大きな淡あわい目をした老魔法使いを見つけてドキッとした。オリバンダー老人には、以前に会ったことがある――杖つえ職しょく人にんで、三年前、ハリーもダイアゴン横丁よこちょうにあるその人の店で杖を買い求めた。
「マドモアゼル・デラクール。まずあなたから、こちらに来てくださらんか?」オリバンダー翁おうは、部屋の中央の空間に進み出てそう言った。
フラー・デラクールは軽かろやかにオリバンダー翁のそばに行き、杖つえを渡した。
「フゥーム……」オリバンダー翁が長い指に挟はさんだ杖を、バトンのようにくるくる回すと、杖はピンクとゴールドの火花をいくつか散らした。それから翁は杖を目元に近づけ、仔し細さいに調べた。